研究課題/領域番号 |
16H05565
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 あけみ 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90273507)
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研究分担者 |
武用 百子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 臨床教育准教授 (00290487)
峰 博子 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センター(臨床研究センター), 臨床研究センター, 看護師 (60450235)
木村 千里 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (60520765)
津村 明美 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (90595969)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 家族看護 / 現任教育 / ケーススタディ |
研究実績の概要 |
本年度は、家族看護態度とその関連要因を明らかにすることを目的として、7医療施設に勤務する臨床経験5年以上の看護師638名からの結果の分析を行なった。家族看護態度尺度であるFINC-NAを従属変数とした重回帰分析と、看護実践力を従属変数としたパス解析を行った。 416名(有効回答率65.2%)を分析対象とした。単変量解析の結果、「FINC-NA」と有意水準5%未満で関連が認められた変数は、「看護実践力」「FSOC」「職場満足」「家族看護学習経験」「パートナーの有無」「家族看護経験」であった。「FINC-NA」を従属変数とした重回帰分析では、「看護実践力」「FSOC」「職場満足」の回帰係数が有意であった。さらに、「看護実践力」を従属変数としてパス解析を行った結果、「職場満足」「FSOC」「管理職経験」「家族看護学習経験」が影響していた。また、「FSOC」の「FINC-NA」に対する直接効果は「看護実践力」を媒介する間接効果よりも高かった一方、「職場満足」の「FINC-NA」対する直接効果は間接効果よりも低かった。以上の量的データの分析より、看護職の労働環境を整え、看護実践力を高める他、看護職自身の家族が持つストレスへの対処行動を認識するような研修の必要性などが示唆された。 また、医療施設における家族看護研修の企画・運営では、静岡がんセンターと静岡こども病院の連携ケース検討会、和歌山県下の精神科多職種・多施設連携の事例検討会、あらかわ子ども応援ネットワーク(東京都荒川区)における市民も交えた要支援子育て家族への勉強会など様々な取り組みを行なった。その成果は、関連する学会の交流集会において報告、参加者と討議した。さらに年度末には、訪問看護師むけの家族看護のケーススタディを 芦屋市の3つの訪問看護ステーションの協力を得て実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質的量的な調査結果の分析は予定どおりすすんでいるが、その結果をふまえて企画する研修会について なんらかの形で最終年度には評価したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
継続して静岡市・荒川区・和歌山市といった地域において ケースメソッドを活用した様々な家族看護研修プログラムを開催すると同時に、最終年度は、そのプログラムの評価をする予定である。
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