研究課題
看護班における経過観察に基づく症状観察では、発症時からの体重推移から、BMI(体格指数)減少率が大きいほど、気管切開人工呼吸療法後の進行が早いこと、すなわち、発症初期の病勢は人工呼吸後も続くことを示した。また、生体信号を用いた意思伝達装置を複数同時に使用することでの有用性を検討した。技術開発では、BMI機器(B-assist)を用いて居宅における実験を行い、研究者の説明のもと患者家族および医療スタッフの操作で、BMI機器を実用的とされるレベルで使用可能であることを確認した。またステージIV1名について、月1回程度の試用を継続し、脳波でゲームを実施した。生理学的評価では、病初期の正中神経刺激体性感覚誘発電位(SEP)の早期皮質成分(N20)の振幅が増大することから、ALSでは運動野のみならず感覚野の興奮性が増大していることを示した。加えて、N20の振幅(N20peak-P25peak)が大きい(≧8uV)患者では,生命予後が不良であることが明らかになり、感覚野の興奮性の増大は、運動野の興奮性増大と同様に,生命予後を予測する因子であるといえた。画像評価では、コミュニケーションに関係する中脳被蓋部の萎縮の程度を検討し、人工呼吸器装着時点では、大きな差がないことを確認した。病理学的検索では、6例のALS/FTLDの解剖を行った。うち2例はそれぞれ33歳(全経過37年)、39歳(全経過17年)の若年発症、呼吸器装着期間は26年および14年であった。前者では遺伝子変異が確認されていた。病理学的には、中脳黒質、歯状核・赤核、オリーブ・橋・小脳、脊髄後索・前側索および前角の変性を示す、多系統萎縮型で、下位運動ニューロンにはほとんど神経細胞が認められなかった。また、長期人工呼吸器療法下における胸膜の器質化が確認され、合併症の多様化が示唆された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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