研究課題/領域番号 |
16H05591
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
櫻井 しのぶ 順天堂大学, 医療看護学部, 教授 (60225844)
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研究分担者 |
高谷 真由美 順天堂大学, 医療看護学部, 先任准教授 (30269378)
鈴木 良雄 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (30612395)
桜庭 景植 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 教授 (50175460)
南 唯公 (中西唯公) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50582110)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 女性 / 隠れ肥満 / 内臓脂肪 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は日本人特有の課題である「隠れ肥満」の実態について、身体及び心理社会的要因を明らかにし、現代日本人の特性に合ったダイエット方法を検討し、生涯のヘルスプロモーションを推進することである。平成28年度に行った計測は身長、体重、腹囲、血圧、血液検査(代謝に関連する生化学検査)、内臓脂肪面積測定(内臓脂肪計EW-FA90パナソニック)、体組成測定(ポータブル高精度体成分分析装置Inbody)握力測定(握力計 )骨密度測定(超音波式骨評価装置:骨ウエーブ)ロコモチェック(簡易版ロコモチェックを使用)、生活習慣全般についての調査(特定健診問診項目)をおこなった。 研究対象者(研究有効数:分析可能なもの)①紀北町住民:20~70代 90名(男性)168名(女性)計258名②菰野町住民:30代 32名(男性)188名(女性)計220名③ユマニテク看護助産専門学校及び製菓調理専門学生:20~30代 94名(女性)計94名④桑名市総合医療センター従事者 20~30代 66名(女性)計66名 で合計 男性122名 女性516名で合計 638名であった。平成28年度に得られた調査用紙・および調査結果の入力・測定結果の整理、検体の分析等を完了し、データを整理する。その後隠れ肥満の定義をインボディ基準のBMI×体脂肪との関連で判別し、その他の生体測定値とのや背景因子に関して検討を行った。その結果、隠れ肥満に該当するものは正常なものに比して、女性と「上肢筋肉」男性では「脂肪」との関連性が見られていた。その他の項目とはあまり関連がなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に得られた調査用紙・および調査結果の入力・測定結果の整理、検体の分析等を完了し、データを整理し、隠れ肥満群を特定し、その特性とその背景因子に関してその性差や年齢、地域などでの比較検討を行った。分析結果としては、性差によって違いがあることが見いだされている。 また、測定した対象地域・関係機関に研究結果を還元するために、一般市民や被験者向けの啓もう活動として、紀北町での健康講座とロコモの計測、桑名医療センターでの健康教室を行った。 また、この結果の一部を日本臨床栄養学会と日本公衆衛生学会で発表した。
故に、昨年度に計画された内容は全て順調に実施した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は本研究の最終年度にあたる。今年度は今までの研究結果のまとめを行うこととし、報告書を作成する。 平成29年度に分析した結果、「隠れ肥満」の該当者は女性は筋肉、男性は脂肪との関連性が見えてきたが、更なる詳細な分析が必要とされるため、追加での生活習慣の調査を行う可能性もあり、対象の協力が得られた場合その実施を行う予定である。「隠れ肥満」に対して、本当に有効なダイエット方法を提示するには、かなり結果を精査し、また、他の因子との関係性など様々な実験を要することが見えてきており、更なる研究への時間を要するが、仮定のダイエットのモデルを提示することは可能であると考えるので、そこにも言及していきたい。 研究結果の還元は研究協力に応じた対象地域・集団に既に行っているが、やはり、地域によっては、健康教育などを望む場合が考えられ、その場合は健康講話や運動指導などを行う予定にしている。 また、今までのデータの分析結果をアメリカ公衆衛生学会か、国際肥満学会で発表することを予定し、国際的な場での成果の公表を計画している。その他さらに得られた知見を日本公衆衛生学会で発表する予定である。
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