研究課題/領域番号 |
16H05593
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾崎 章子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30305429)
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研究分担者 |
有竹 清夏 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50415577)
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
多留 ちえみ 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (90514050)
安藤 千晶 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60645919)
菱谷 怜 東北大学, 医学系研究科, 助手 (90806324) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 在宅要介護高齢者 / 睡眠 / 睡眠薬 / リスク / 訪問看護師 |
研究実績の概要 |
平成29年の予備調査の実施ならびに日本睡眠学会学術集会への参加の結果,当初の予想に反し,本研究が目的とする高齢者のフレイル調査を実施するには,フレイル高齢者の生活機能に影響を与える睡眠薬リスクもモデルに取り入れる必要性が明らかになった。しかし,フレイル高齢者の睡眠薬リスクの指標は存在せず,同様に要介護高齢者においても睡眠薬リスクの実態も報告されていないことから,この点を明らかにする必要が生じた。 そこで平成29,30年度は,訪問看護師が把握している在宅要介護高齢者の睡眠薬使用による副作用リスクを明らかにすることを目的に,訪問看護師を対象に睡眠薬が関与していると推察される転倒や骨折等の副作用が生じた事例を想起してもらい,対象者の概要(年齢,性別,同居家族の有無,疾患,服薬,要介護度),睡眠薬が関係していると思われた有害現象,有害事象への訪問看護師の対応等に関してインタビュー調査を行った。 医療者が常駐していない在宅特有の環境要因により,在宅要介護高齢者の安全と安楽を脅かすインシデントや,事故に直結する有害事象が発生していた。在宅での有害事象は病院での報告と大きな違いはないが,その背景として,理解不足による自己判断での追加服用,認知機能の低下,独居,老々介護,希薄な家族関係という在宅特有の要因が生成された。在宅療養では,家族介護者の有無を問わず,睡眠薬の服用後の容態を常に観察することは困難であり,有害事象が生じた際の早期発見が遅れ,重篤な事態に発展する可能性がある。生活スタイルや家族を含めた睡眠指導,ポリファーマシーに対して複数の医療機関の医師間の橋渡しを担うという訪問看護師の役割が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在,論文執筆中であり,投稿・公表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
在宅要高齢者における睡眠薬の副作用リスクの実態について,引き続き検討を加える。1)目的:訪問看護師およびケアマネジャーが把握する在宅高齢者の睡眠,睡眠薬の使用管理,服薬支援,多職種連携ならびに副作用リスクを明らかにする。2)対象:訪問看護師・ケアマネジャー各100名 3)調査内容と収集:睡眠薬の使用管理状況,睡眠薬に関する相談内容,服薬支援,睡眠薬の関与が推察される副作用リスクと対応について質問紙調査を行う。
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