研究課題/領域番号 |
16H05597
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
白井 みどり 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30275151)
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研究分担者 |
秋山 庸子 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50452470)
佐々木 八千代 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10382243)
廣瀬 秀行 日本保健医療大学, 保健医療学部理学療法学科, 教授 (10360679)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | シーティング / 体圧分布 / 姿勢 / 行動 |
研究実績の概要 |
1. 30年度データの分析 施設入所高齢者13名を対象にデータ収集した仙骨座りと普通座りでのビデオ映像と座面の体圧分布測定結果を分析した。ビデオ映像はあらかじめ高齢者に貼付したマーカーにより二次元動作計測ソフトで座背角度を、体圧分布測定システムで総圧力値等を算出した。また、圧力中心までの距離(Y)と距離(X)は、座面後端から圧力中心まで、座面右端から圧力中心までの圧力センサーマトリックス数を確認し、マトリックス1辺2㎝を乗じて算出した。対象者の平均年齢は85.6歳で、障害高齢者の日常生活自立度Aは5名、Bは6名、Cは2名であった。仙骨座りでは座背角度の平均値は106.4°、座面の総圧力値の平均は5321.2mmHg、圧力中心(Y)と圧力中心(X)の平均値はそれぞれ22.5㎝、18.5㎝であった。普通座りでは座背角度は89.5°、座面の総圧力値は5136.8mmHg、圧力中心(Y)と圧力中心(X)はそれぞれ28.2㎝、18.6㎝であった。仙骨座りと普通座りを比較すると、座背角度は仙骨座りで大きく、圧力中心(Y)は仙骨座りで前方に移動する傾向があることを確認した。 2. 施設職員による座位姿勢の評価 高齢者の座位からの転倒・転落の危険性や援助の必要性の判断基準を検討するため調査を行う必要があり、その調査で提示する画像等のデータ収集を行った。対象は健康高齢者6名で、車椅子座面上のセンサーのマトリックス線に合わせて臀部を前方に移動し、その都度、ビデオ撮影と座面の体圧分布測定を行った。臀部の前方への移動により圧力中心は前方に移動し、座背角度は拡大した。調査票で提示する静止画像をビデオ画像から編集するとともに画像ごとの座面の圧力値等も得て、調査票を作成した。今後、介護保険施設の職員を対象に調査を行い、体圧分布変化による座位時転倒・転落危険性予測システムの閾値を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介護保険施設の職員を対象に、高齢者の座位からの転倒・転落の危険性や援助の必要性に関する調査を行う予定であった。健康高齢者を対象にビデオ撮影や座面の体圧分布測定を行い、調査票で提示する静止画像をビデオ画像から編集するとともに画像ごとの座面の圧力値等も得て、調査票を作成した。しかし、新型コロナウイルス感染防止対策の必要性から介護保険施設の協力が得られず、調査の実施には至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者の座位からの転倒・転落の危険性や援助の必要性の判断基準を検討するため、介護保険施設の職員を対象に調査を実施する予定である。現在も新型コロナウイルス感染防止対策が必要な状況にあり、介護保険施設の職員を対象とする調査の実施は容易ではないが、可能な限り早い時期での調査を計画する。「体圧分布変化による座位時転倒・転落危険性予測システム」に必要な転倒・転落の危険性等を判断する閾値は調査結果を待たなければならないが、システムの構築、デバイスの選定や試作を進める予定である。
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