研究課題
1.患者参加型テレナーシングシステム開発と評価セルフケアが重視される慢性疾患として、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、糖尿病(DM)、間質性肺炎(IP)、心不全(HF)を対象として、患者参加型テレナーシングシステムを開発した。各疾患特有の管理指標を遠隔モニタリングできるよう、バイタルデータ計測機器、および問診項目と回答選択肢を作成し、療養者がタブレット端末を用いて回答・送信し、モニターセンターで日々のデータをトリアージするテレナーシングシステムを完成した。また、テレナーシング用実践プロトコル第3版、導入時の患者参加を促進する教材、managing -well教材、器材取扱い冊子を作成した。本システムの適用可能性を検討するために、COPD1名、ALS3名、DM3名に12週(計760回)テレナーシングを提供した。DM1名、ALS1名の増悪をトリアージし、入院に繋がった。国内外の学会において成果発表を行った。2.慢性疾患患者のヘルスリテラシー(HL)評価法開発HLの情報検索から61件が検索され、高齢慢性疾患患者に適用可能な評価尺度16件を参考に、本対象者用の項目を作成した。また、豪州ブリスベン市Tunstall社Australia Customer Response Center、Life Tec自立支援展示場の視察から、様々な形態の遠隔モニタリング機器の利用の現状や、テレナーシング業務開始前の研修プログラム、対象疾患、計測機器を組み合わせたConnected Healthブログラムを収集し、本邦の患者教育やテレナース育成に活かす準備を行った。3.テレナーシング実践セミナーテレナーシングや在宅モニタリングデータのトリアージ方法の理解と本研究成果を公開するために、セミナーを9月、1月の2回開催した。参加者計42名の講義、演習への参加満足度は高かった。
2: おおむね順調に進展している
今年度は、患者参加型テレナーシングシステム開発、患者参加を促進するための教材開発、テレナーシング実践プロトコル第3版作成、機器取り扱い冊子の作成、高齢慢性疾患患者用ヘルスリテラシー評価項目を作成することができた。これらを用いて、患者7名への利用可能性の調査を開始した。計760回のトリアージを行い、実際に疾患増悪のトリアージを行うことができた。また、高齢慢性疾患患者のヘルスリテラシー評価方法の文献検討、豪州の視察、Success and Failure in Telehealth-16において研究成果を発表することができた。テレナーシング実践セミナーも当初の計画通り2回開催することができた。研究成果をまとめ、論文の投稿を行った。
次年度は、COPD、ALS、DM、IP、HFの5疾患に対象疾患を拡大して症例数を増やし、本年度開発したテレナーシングシステムを用いた前後比較研究を進めること、またテレナーシング実践セミナーの継続により、テレナーシングの普及を図っていくこと、研究成果を豪州Success and Failure in Telehealth-17学会で発表すること、また論文を作成して投稿する計画である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 6件、 招待講演 2件) 図書 (4件) 備考 (2件)
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http://kango-net.luke.ac.jp/zaitaku_kango/telenursing/index.html
http://www.nursing-plaza.com/interview/detail/126