研究課題/領域番号 |
16H05600
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
水野 敏子 広島国際大学, 看護学部, 教授 (10153305)
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研究分担者 |
長江 弘子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (10265770)
山田 雅子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30459242)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 独り暮らし / 高齢者 / 在宅死 / 終末期看護 / 訪問看護 / モデル |
研究実績の概要 |
2013年~2015年度基盤研究(C)【「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にする終末期看護モデルの構築】において訪問看護師による「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にする看護モデルを構築した。2016~2020年度にかけて科学研究基盤(B)を得て、作成された「独り暮らし」高齢者の在宅死を可能にする訪問看護モデルの有効性について、看護介入を通して実証的に明らかにしたいと考えた。 2016年度はモデルの検証のためには更なるモデルの検討が必要との結論に至り検討を進めた。モデルはpeacefl end of life を目指した、3つのコアカテゴリーと13の大カテゴリーからなっている。モデル検証のためには各カテゴリーの抽象レベルの一致と小カテゴリーの内容を行為レベルにする必要があると判断したため、計9回の会議によりモデルの修正を行った。それによりコアカテゴリーの「本人が今のままで過ごせるよう工夫しながらケアする」を「独り暮らしを続けている生活者としての主体性や自立性を尊重しながらケアする」に変更したことをはじめとして、順次表現を吟味しながら修正を行っていった。 修正されたモデルのケア項目の妥当性を検証する必要性があったため、訪問看護のエキスパートに調査を行うことにした。全国の訪問看護認定看護師、在宅看護専門看護師等を調査対象としてデルファイ法による妥当性の検証を行うことにした。調査は2回行い80%の一致率をもって有効な項目とすることをはじめとして、デルファイ法の計画を立案し、調査に着手したところである。 評価指標の検討を行い、peaceful end of deathを目指した看護モデルであることから評価指標として活用可能であること、モデルの内容から評価が可能であることが確認された.教育の対象、時期、評価方法について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画では評価指標の試作と教育プログラム試案の作成の実施であった。評価指標を作成するに当たって、モデルの項目を活用した評価指標の活用や、検証実践で看護師自身が評価した根拠をどのような事実や会話から判断したかを記載し、実施を通して評価の修正が必要であるという結論になった。加えて、評価指標のひとつとしてモデルにあるケア項目を活用することになり、評価内容として活用するにはモデルの更なる水準の見直しや、評価できるようにケア項目を行為レベルに修正する必要が確認され、モデルの修正と修正されたモデルの妥当性の検証を先に行うことになった。その調査を待って、計画通り、評価指標の作成を次年度に行う予定である。教育計画についても時期や対象、方法についての概要が立案されている。
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今後の研究の推進方策 |
評価指標を作成するために平成29年度に予定されていた高齢者本人への聞き取りは困難であり、モデルの実践を通して、看護師が実践時に高齢者と話した内容や、高齢者が評価している内容そのものを記載することによって、聞き取りと同様の情報が得られることが分かり、聞き取りは中止することにした。29年度の10月まではモデルのケア項目の妥当性を量的に検討するためにデルファイ法調査を実施し、評価可能なモデルとなるように精選する。完成されたモデルに基づき、評価指標、教育モデル、資料等を整備する予定である。 29年度は作成されたモデルの発表のために国際学会に参加し、情報を収集してくる。当初サンフランシスコで発表予定であったが、スペインで6月に開催されるICN大会で発表することにした。
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備考 |
東京女子医科大学リポジトリーに報告書を掲載した
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