研究課題/領域番号 |
16H05602
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
村田 伸 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (00389503)
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研究分担者 |
木村 裕美 福岡大学, 医学部, 教授 (00301359) [辞退]
村田 潤 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (00304428)
山崎 先也 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (20352354)
宮本 尚 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80143577)
兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 准教授 (80708371)
宮松 直美 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90314145)
上城 憲司 西九州大学, 公私立大学の部局等, 准教授(移行) (90454941)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域在住高齢者 / ベースライン調査 / 介護予防 / 認知症予防 |
研究実績の概要 |
本研究の全体構想は、高齢者の身体・認知・精神心理機能を総合的かつ客観的に評価し、ランダム化比較試験による前向き研究手法を用いて、しかも多施設共同研究という質の高い、実証に基づく介護予防研究である。本年度はそのベースライン調査として、滋賀県野洲市に居住し、野洲市主催の生きがい交流事業に参加している258人の高齢者、および佐賀県唐津津市に居住し、認知症予防推進事業に参加した地域在住高齢者167人、計425人の身体・認知・精神機能調査を実施した。調査内容は、まず年齢や教育歴、要介護認定の有無、社会活動等のプロフィールを質問紙にて調査し、身体機能評価として、5m最速歩行時間、握力、上体起こしテスト、30秒間椅子立ち上がりテスト(30-second chair-stand test:CS-30)、大腿四頭筋筋力、足趾把持力、Timed Up and Go test(TUG)、開眼片脚立位時間、長座体前屈距離を実施した。認知機能評価はMini-Mental State Examination(MMSE)と注意機能検査(TMT)を、精神・心理機能評価として心の健康度Visual Analogue Scale(VAS)尺度と高齢者用うつ尺度短縮版(Geriatric Depression Scale5:GDS-5)を実施した。主観的な認知症症状の有無による身体、認知、精神機能の差異を前期高齢者と後期高齢者に分けて検討した結果、主観的な認知症症状を有する前期高齢者は身体機能に関連した項目のみで機能低下を認め、後期高齢者は抑うつ傾向にある者が多いことが示された。このように,前期高齢者と後期高齢者では、主観的な認知症症状の訴えの有無に関連する身体や精神機能が異なることから、認知症予防に向けた介入方法は年齢層によって区別する必要がある可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画は、滋賀県野洲市に居住している65歳以上の高齢者のうち、老人会や生きがい交流事業に参加している400人程度を対象にベースライン調査を行う予定であった。来年度からの調査の継続性を考慮し、老人会での調査は行わず生きがい交流事業に参加している高齢者に限定したため、滋賀県における対象者が予定より少ない258人となった。それを補填するため、佐賀県唐津市の認知症予防推進事業に参加している地域在住高齢者167人を調査対象に加え、計425人の身体・認知・精神機能調査を実施できた。よって、「概ね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
29年度は、効果的な介護予防プログラムの検証を行う予定である。具体的には、マシントレーニング群30人、健康体操(橘いきいき体操)群30人、ウォーキング群30人、認知トレーニング群30人、趣味的アプローチ(囲碁・将棋・手芸)群30人、ビューティーセラピー群30人と特別な介入を行わない統制群30人を加えて、計210人をランダムに振り分け、どの介入方法が介護予防に効果的(プログラム効果×参加率)であるのかを検証する。
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