| 研究課題/領域番号 |
16H05604
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| 研究機関 | 北海道大学 |
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研究代表者 |
結城 美智子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (20276661)
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| 研究分担者 |
河原 加代子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30249172)
古戸 順子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (90709338)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 福島原子力災害 / 東日本大震災 / 長期避難 / 避難者支援 / 避難者 / 健康 / 支援者支援 |
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| 研究実績の概要 |
東日本大震災および福島原子力災害から7年目を迎えたH29年度の取り組み（前年度より継続）として，長期避難を余儀なくされている住民および避難者への支援を継続している自治体職員や公的機関（者）等とともに健康づくりのための体制整備を図り，住民およびその支援機関（者）とともに活動するフィールドワークにおいて長期避難者の健康状態や生活状況，さらに支援者の健康状態を把握するとともに健康支援ニーズを明らかにし，そのニーズに応じた健康づくりをすすめた．具体的には以下の通りである．
1.避難者等の交流と健康支援拠点としてのサロン活動：2万人以上の避難者が生活している福島県A市において開設した交流サロンを継続し，定期的に運営している．サロンが開設している日は看護師が常駐し，避難者と地元住民，支援者の健康相談等をおこなってきた．また，ニーズに応じて避難者が過ごしている場所や関係機関等へ出向いて健康相談や避難者支援について具体的検討等をおこなった．2.全住民が避難したB自治体は避難解除されたが，旧避難区域への帰還率は１年を過ぎて5%未満である。避難者は避難元地域へ帰還するか，新たな地域で生活するかについて，結論を出せていない苦悩や今後の生活に対する不安等がみられている．3.支援者のための支援：①全住民が国の指示により避難生活を継続しているC自治体の住民支援を行っている公的機関の職員を対象に，定期的な健康相談を継続している．支援者の生活場所や生活基盤においても家族の仕事や学業等により今後の生活基盤をどこにおくか決定できていない状況もあり，職員自身の生活基盤に不安定な状況がみられ，そのことが心身の健康に影響が見られている事例もあり，継続支援の必要性が示された．②福島県の県および市町村の保健師を対象に，健康状態に関する調査を実施し，詳細な分析を進め，関係機関とともに今後の健康対策をすすめる予定である．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災および福島原子力事故発災湯治から関係機関（者）と協働して避難者支援および復興関連活動を行ってきた経緯があり、本研究事業の最も重要とされるアクションリサーチのための体制整備は当初から円滑に構築できており、研究目的に沿って実施できている。
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| 今後の研究の推進方策 |
H30年度は東日本大震災・福島原子力災害から8年目となるが，いまだ避難生活を余儀なくされている住民や避難解除となっても今後の生活拠点をどこにするか決定できない状況にある避難者も多い．避難解除となった避難者の旧避難指示区域（避難元地域）への帰還率は福島9市町村全体でも15%であり，対象人口が多い自治体のうち5%未満である自治体もある．さらに，復興住宅への転居等など，あらたな生活基盤やコミュニティの基盤も十分でない住民も多い．このような状況は，とくに高齢者は孤立しやすく，心身の健康と密接に関連する．これらの状況を踏まえ，関係機関とともに協働しながら避難者および支援者支援をすすめていく．具体的には，H29年度の継続であり，以下の通りである．
1.避難者等の交流と健康支援拠点としてのサロン活動：2万人以上の避難者が生活している福島県A市において開設したサロンを継続し，定期的に運営する．本サロン活動によって把握された避難者や地元住民および避難者の支援者等の健康ニーズに対応した健康支援を実施する．
2.全住民が国による避難指示による避難生活をおくっていた避難者が避難指示解除となった自治体健康部門等の協働
3.支援者のための支援：①長期避難者hを支援している公的機関の職員を対象として継続した健康相談とニーズに応じた健康支援活動の実施 ②H29年末に実施した福島県内の保健師を対象とした健康調査の詳細な分析とその結果に基づく関係機関との協議を実施する．
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