研究課題/領域番号 |
16H05608
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (70264827)
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研究分担者 |
安本 理抄 大阪府立大学, 看護学研究科, 助教 (00733833)
足立 安正 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (20708490)
根来 佐由美 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (50508794)
柳川 敏彦 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80191146)
和泉 京子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (80285329)
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学研究科, 准教授 (90364033)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 母子保健 / 世代関連連鎖 / 妊娠期 / 予防的支援 / 保健師 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、母子保健活動において、虐待の世代間連鎖の断ち切りに向けたポピュレーションアプローチと虐待死を防ぐために高リスク群の妊婦・家族へのアプローチを併用した妊娠期からの予防的支援の実践モデルの構築である。平成29年度は次のことを実施した。 1.A市において妊娠届を活用した支援方法の検討のため出産後のEPDSとBonding指標に着目し、妊娠届時の状況及び4か月児健診の結果を分析した。妊娠届の妊婦の年齢は31.0±5.4歳、届出週数平均は8.7±2.1週、新生児訪問時の児の日齢60.9±18.2日、EPDS9点以上は9.6%、Bonding3点以上19.7%であった。4か月児健診において育てにくさを感じるは、EPDS9点以上が、Bonding3点以上が有意に多かった。産後早期の支援が必要な妊婦については、妊娠中からの関係づくりが重要であり、妊娠中からの支援の重要性が示唆された。 2.B市において世代間連鎖の断ち切りに向けた支援を検討するため、乳児早期新生児訪問事例のEPDSおよびBondingについて分析した。EPDS9点以上13.6%、Bonding3点以上は25.5%であった。EPDS, Bondingが高値およびメンタル相談歴と産後の健康問題、夫や実母という身近な家族に相談できていないこと、経済的不安との関連がみられたことから、これらの指標が高い母親に対して、乳児早期から心理社会的な支援を行っていくことが必要と考える。 3.A市の昨年度の事例検討で、妊娠後期にうつによる自殺事例があった。そのため、妊娠中からEPDSを実施することとした。平成29年度のEPDSのデータ分析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査を実施しているA市において、妊娠中の精神的問題による自殺事例があった。妊娠届時面接では把握できていなかった。そのため、平成29年度から妊娠期のEPDSのデータ収集を行っている。研究計画で予測していなかった状況であり現在データ収集中である。
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今後の研究の推進方策 |
A市、B市においてEPDS,Bondingに焦点をあて情報収集している。これらの結果を統合し、世代間連鎖の断ち切りにつながるメンタルの健康状態に焦点を当てた研究を進めていくことが必要になっている。
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