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2017 年度 実績報告書

暴力の世代伝達を断ち切るケアに関する研究:PTSD予防・治療・回復と周産期支援

研究課題

研究課題/領域番号 16H05611
研究機関日本福祉大学

研究代表者

長江 美代子  日本福祉大学, 看護学部, 教授 (40418869)

研究分担者 服部 希恵  日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (00310623)
大橋 幸美  日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (00552986)
羽田 有紀  日本福祉大学, 看護学部, 助教 (10347429)
福澤 利江子 (岸利江子)  筑波大学, 医学医療系, 助教 (20332942)
古澤 亜矢子  日本福祉大学, 看護学部, 准教授 (20341977)
石田 ユミ  日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (20770233)
高瀬 泉  山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (30351406)
鈴木 大  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (30378301)
加藤 秀章  名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (30418868)
加納 尚美  茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (40202858)
杉本 敬子  筑波大学, 医学医療系, 助教 (50700548)
甘佐 京子  滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70331650)
田中 敦子  日本福祉大学, 看護学部, 助教 (70398527)
土田 幸子  鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 准教授 (90362342)
井箟 理江  日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (90770321)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード性暴力 / PTSD / Doula
研究実績の概要

1,縦断調査:1)急性期のデータ収集は、①身体的精神的アウトカムについて、被害後7日までの来所者に対してPTSD、うつ、不安、解離症状をモニターしている。3ヶ月頃にPTSD症状が悪化する傾向があり、面接して心理教育を実施することで回復に向かうケースが多い。症状が継続悪化する場合は連携先の精神科につなぎ、トラウマケアチームが連携してフォローアップしている。フォローアップは3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月と実施した。2)中~長期のデータ収集は、トラウマケアチームによりPE(個人)、PCIT親子、行動療法的家族訪問療法を実施して、効果を評価した。
2,スタッフの育成:1)小西聖子氏を講師として、連携が始まった愛知県精神医療センター医師と看護師を対象にPTSD治療について、2)佐藤純氏を講師として行動療法的家族療法について研修会を実施した。3)性暴力被害者支援看護師(SANE)養成プログラムを実施し20名が受講し、愛知県精神医療センター看護師4名が参加修了した。
3,米国よりDoulaトレーナー2名(Debra Pascali-onaro氏、Tammy Ryan氏)招致し、出産の尊厳、サバイバーの出産をテーマに講演会と3日間出産Doulaワークショップを実施し、データ収集した。アンケート結果:出産の尊厳、サバイバーの出産では、60名の参加者のうち40名から回答が得られた。Doulaについて、30名が初めて知った、詳しくは知らなかった、と答えているが、40名全員が「Doulaは必要」と答えた。必要な時期については、妊娠中(35名)出産時(34名)が最も多かった。内容については、心理的サポートが36名と最も多かった。ワークショップは、参加者21名全員が「とても良かった」と答えた。
4,多職種多部門による運営委員会を2回/月、事例検討を1回/月実施し、必要時は学校、弁護士、精神科医、家族による検討会議を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

精神科、児童相談所との連携体制を整えるのに時間がかかっているため、支援体制によるデータ収集、半構成的インタビューの実施や評価が遅れている。また、PTSD治療ができるスタッフおよび近隣の医療施設やが少なく、スタッフ養成が追い付いていないことから、データ収集までに至っていない。
今年度の海外視察は次年度とし、国内の施設を視察した。MDT(他職種連携チーム)まで至ってはいないが、地域の複数の他部門他施設との連携会議を被害者と家族を交えて開催で来ている。

今後の研究の推進方策

1,多職種連携(MDT)の整備に向けて、これまで得た情報を分析し、運営会議で検討し方向性を検討する。焦点は、身内や顔見知りからの被害者へのアウトリーチと、効果的な性犯罪の早期発見と介入およびフォローアップを可能にする体制づくりである。
2,センターなごみの利用者のでもグラフィックデータに加え、アドボケータ、SANEのエンパワメントケア、その他の介入について記録し、ケアの効果、身体的精神的社会的法的アウトカムデータを収集する。
3,CACの設置とMDT実現のため、米国オレゴン州に複数の施設を視察する。メンバーはなごみスタッフに加え、産婦人科医師、弁護士、警察、精神科医、児童相談所職員予定。
4,なごみスタッフの育成
5,学会発表および論文投稿による成果報告をする。
性暴力被害者への配慮として、コンピュータを利用した本人による入力により匿名性を保ち、提供された支援についてより多くから忌憚のない評価を得る必要がある。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 犯罪被害者の現場から:性暴力被害者支援看護職SANEを活用したワンストップ性暴力救援センター2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子
    • 雑誌名

      日本トラウマティック・ストレス

      巻: 15-1 ページ: 75-77

  • [雑誌論文] フォレンジック看護が支えるもの2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子
    • 雑誌名

      日本フォレンジック看護学会

      巻: 3 ページ: 115-117

  • [雑誌論文] 北米のPTS予防・治療・回復の現場2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子、高岡昂太、土田幸子、古澤亜矢子、坂本理恵、江口美智
    • 雑誌名

      日本フォレンジック看護学会

      巻: 3 ページ: 57-83

  • [学会発表] Case Study of Parent-Child Interactive Therapy (PCIT): Analysis of the growth process of a boy with ASD and his mother during PCIT sessions and 1-year follow-up2017

    • 著者名/発表者名
      Miyoko Nagae & Sachiko Tsuchida
    • 学会等名
      the 2017 PCIT International Convention
    • 国際学会
  • [学会発表] 東京・名古屋・大阪に展開する病院拠点型性暴力救援センターの到達点と今後:地域との連携による病院拠点型総合支援モデル2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子
    • 学会等名
      第16回日本トラウマティック・ストレス学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 性暴力被害女性4名のPost Traumatic Stress Disorder(PTSD)に対する Prolonged Exposure Therapy(PE)実施後のPTSD再燃に関する考察2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子
    • 学会等名
      第16回日本トラウマティック・ストレス学会
  • [学会発表] Effective approaches for mothers and children who experienced IPV and had common difficulties to adhere Parent-Child Interaction Therapy (PCIT).2017

    • 著者名/発表者名
      Ayako Furuzawa, Kie Hattori, Miyoko Nagae, &Sachiko Tsuchida
    • 学会等名
      the 2017 PCIT International Convention
    • 国際学会
  • [学会発表] PCIT シンポジウム「PCITを立ち上げる」:DVサバイバー母子支援とPCIT 親子の絆から家族の絆へ2017

    • 著者名/発表者名
      長江美代子、土田幸子、服部希恵、古澤亜矢子
    • 学会等名
      第7回PCIT-Japan & CARE-Japan合同研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 看護教育におけるフォレンジック(法)看護学の意義と学び方2017

    • 著者名/発表者名
      加納 尚美、 李 節子、米山 奈奈子、長江 美代子、柳井 圭子
    • 学会等名
      第37回日本看護科学学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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