研究課題/領域番号 |
16H05620
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
竹川 暢之 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (00324369)
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研究分担者 |
三澤 健太郎 首都大学東京, 理学研究科, 助教 (10431991)
足立 光司 気象庁気象研究所, 環境・応用気象研究部, 主任研究官 (90630814)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 環境計測 / ブラックカーボン / エアロゾル / 混合状態 / アジア |
研究実績の概要 |
平成28年度に台湾北部において実施したフィールド観測のデータ解析を継続した。黒色炭素 (BC) および硫酸塩が高濃度となったイベントを選び出し、気象解析に基づき空気塊の起源推定を行った。さらに、透過型電子顕微鏡 (TEM) による個別粒子解析を行ってLII-MSのデータと比較した。特に、アジア大陸から長距離輸送された空気塊について、コア・シェル型や付着型を含むBC混合状態の詳細な解析を行った。その結果、領域スケールの汚染空気中であっても、多様な混合状態を有する粒子が存在することが明らかになった。得られた成果について国際学会で発表を行うとともに、学術誌に論文を投稿した。 当該年度末 (2月) に、タイのバンコク近郊 (ナコンパトム) においてLII-MSを用いた集中観測を実施した。観測期間の直前には、バンコク市内で高濃度のPM2.5が出現し、大きな社会問題となっていた。観測期間中の前半では、領域スケールで汚染空気が滞留することでBCや硫酸塩が高濃度となるケースが見られた。TEM解析からBCとともにカリウムを含む粒子が存在することが明らかになり、広域バイオマス燃焼の寄与が示唆された。期間全体では概ね南から空気が流入していたため、比較的低い濃度で推移していた。ただし、濃度が低いながらも広域の二次生成の影響を強く受けたと見られる粒子が観測され、領域スケールのエアロゾルの特徴を理解する上で有用なデータが得られた。 タイでの観測時期が遅れたために、研究期間内に解析および論文執筆を完了するには至らなかった。今後、台湾およびタイで得られた観測データの解析を継続的に行うことで、アジア低緯度域におけるBC混合状態の特徴を明らかにすることを目指す。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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