研究課題
2017-2018年冬季と夏季に、日本海沿岸に位置しアジア大陸起源物質の越境輸送をうける能登(37.5°N, 136.9°E)において、ガス・微小粒子状物質を採取し、ガス・粒子態PAHの分析を行った結果をもとに、モデル解析を行った。また、Pyrのガス・粒子分配は、気温変化に依存していることもモデルでも示唆された。ガス―粒子分配スキームについて、現在使用しているJunge-Pankowスキームのほかに、いくつかのスキーム(Lomman-Lammel, Shiraiwa )についても検討を行った。観測された結果を化学輸送モデルで再現すべく、他のガス・粒子分配スキームでの計算による感度計算を実施し、モデルの精緻化を行い、ガス態・粒子態PAHの越境輸送量を評価した。冬季には粒子態Pyrがアジア大陸上で高濃度で日本へ越境輸送されている様子が認められた。ガス態Pyrは、アジア大陸と比較して日本海・日本でやや高い濃度であった。夏季における粒子態Pyr濃度は、アジア大陸からの越境輸送の影響が少ないために、冬季の粒子態Pyr濃度と比較してかなり低かった。また、気象場からみると、粒子態Pyrはアジア大陸からの越境輸送というよりは、日本国内発生源からの放出の寄与が大きいことが示唆された。ガス態Pyr濃度は、発生源の少ない海洋上ではガス態Pyr濃度が粒子態Pyr濃度よりも高いことが明らかになった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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