| 研究課題/領域番号 |
16H05640
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| 研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所 |
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研究代表者 |
前川 佳文 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 研究員 (80650837)
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| 研究分担者 |
朽津 信明 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 保存科学研究センター, 室長 (50234456)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 壁画 / 保存修復 / 文化遺産 / wall painting / conservation / restoration / Pompei / world heritage |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、「ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アンヌンツィアータの遺跡地域」の名称でユネスコの世界遺産に登録される構成資産から、「ポンペイ遺跡」および「エルコラーノ遺跡」を対象に、新保存修復技法開発と遺跡保存管理体制の確立を目的に実施したものである。当初、過去の修復時に塗布された壁画表層面の補強材をいかにして安全に除去するかということが一番の課題として挙げていたが、広域フィールドで実施した類例調査や保存科学調査の結果を基に実施した保存修復実験などを経て、効果的かつ安全な新保存修復技法を開発することに成功した。
類例調査の結果を簡単にまとめる。かつて、湿気対策や壁画そのものの見栄えをよくすることを目的に塗布されていた蜜蝋や合成樹脂は、彩色層や漆喰層の補強材としてこの地域で一般的な修復材料として使われるようになっていった。しかし、年月が経つにつれ、これら修復材料が壁画の吸放湿性能を著しく低下させる要因となり、その結果、彩色層や漆喰層の剥離・剥落を招く。傷みの進行を抑制しようと様々な補強方法が試みられたものの、表面を覆う補強材の除去が十分でなかったことから期待していた効果は得られなかった。
調査の結果、過去に塗布された補強材を安全に除去することが先決であることが明らかとなった。様々な溶剤の調合方法や実施箇所における反応時間を調整しながら、壁画の状態を詳細に把握するため科学分析調査も導入しながら研究を進めた結果、壁画に負担をかけずに補強材を除去する方法を確立させることができた。
この結果、先行研究では十分な効果が得られなかったとされる彩色層および漆喰層の補強方法に関する研究に着手できる環境が整ったといえる。今後は、壁画の吸放湿性能を維持しながら補強効果が得られる保存修復技法を確立させるべく研究を続けてゆく。
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| 現在までの達成度 (段落) |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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| 今後の研究の推進方策 |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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