研究課題/領域番号 |
16H05645
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 康弘 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (70222065)
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研究分担者 |
篠田 雅人 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30211957)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地震災害 / 活断層 / モンゴル / 歴史地震 / 防災 |
研究実績の概要 |
本研究は、(1)活断層調査、(2)地震被害聴き取り調査、(3)ハザードを市民に伝えてレジリエンスを高める対策のあり方を学際的・超学際的(trans-disciplinary)に議論する研究、の3本柱からなる。(1)~(3)は段階的に進め、モンゴルの防災力強化につなげるべく超学際的研究として発展させることを目指している。 29年度は、モンゴルの関係機関と調整を重ね、共同研究の枠組みが強固になった。地理学研究所と連携して、一般には入手が難しい、モゴド地震断層の周辺地域の1960~70年代の空中写真を利用できるようになった。非常事態庁からの要請により、モゴドに加えホブド県も対象地域に加えた。ここはモンゴル国内のうちで最も自然災害リスクが今後高まる地域とされ、アルタイ山脈中にこれまで注目されていない地震断層が存在することも判明しているためである。 今年度は活断層の基礎研究よりもtrans-disciplinary研究に重点をおいて実施された。2018年3月にはウランバートルにおいて本研究プロジェクトが提案した地震防災シンポジウムが政府企画として実施され、小中学校の全校長を対象とした防災教育の機会となった。放送大学において連携研究者の稲村が「レジリエンスの諸相」という教科を立ちあげ、2018年2月に鈴木が出演して本研究の成果を番組化した。ウランバートルで地震防災研究を進める際に、地方における地域防災も同時に検討することが非常事態庁からも要請され、JICA草の根技術協力事業を並行して立ち上げることも成功した。ウランバートル周辺の活断層調査は次年度以降も継続され、基礎研究と超領域的研究の双方をバランス良く進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モンゴル非常事態庁・科学アカデミー・モンゴル国立大学等との共同研究が飛躍的に進展した。2016年10月からは非常事態庁の国際連携室長が鈴木の大学院博士課程指導学生となり、また、本プロジェクトの内容も反映させるべく、JICA草の根技術協力事業による地域防災プロジェクトもスタートさせた。活断層の分布の概要が把握できた。残り二年間において得られる基礎的研究データがtrans-disciplinaryに展開される見通しが十分に立ったと言える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は順調に進んでいる。今後はモゴド地震断層とウランバートル周辺の活断層調査、およびホブドにおける活断層調査を進め、地震ハザード評価を進展させる必要がある。ドローンによる空撮も有効であり、モンゴルにおいて実施できる目途は立っている。関係機関との連携をより強化し、モンゴル政府からの要望も踏まえたハザード評価を進める。
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