研究課題/領域番号 |
16H05658
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
縄田 浩志 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (30397848)
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研究分担者 |
渡邊 三津子 奈良女子大学, 共生科学研究センター, 研究支援推進員 (10423245)
石山 俊 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (10508865)
古澤 文 奈良女子大学, 共生科学研究センター, 協力研究員 (50634812)
遠藤 仁 秋田大学, 国際資源学研究科, 客員研究員 (80551548)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的紐帯 / 北アフリカ / 西アジア / 乾燥地域 / オアシス |
研究実績の概要 |
初年度である平成28年度は、まず研究代表者・研究分担者が協力して、アルジェリア・サハラ沙漠のイン・ベルベル・オアシスと、アラビア半島サウディ・アラビアのワーディ・ファーティマ・オアシスの2つのオアシスにおいて、半世紀前に開始された小堀巌と片倉もとこの現地調査資料の再整理に着手した。特に現在との比較が可能なオアシスの植生や河川といった自然景観、衣食住や生業といった日常生活をとりまく生活景観にかかわる写真・地図・スケッチのデジタル化をスケールや時間軸に即して整理していく作業を進めた。それらの点数が多いため、作業を次年度も継続することにした。 特筆すべきは、新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』研究基盤リソース支援プログラム「地域研究に関する学術写真・動画資料情報の統合と高度化」(課題番号16H06281、中核機関:国立民族学博物館)の支援による資料整理「地域研究画像デジタルライブラリ(略称DiPLAS)」に採択され、資料整理をデジタルライブラリとして公表する道筋をつけることができた点にある。 また、日本と現地において保管されている道具(日用品・農具・民具・衣装など)のデータベースを作成し、実測図・写真・動画・3Dデータとして記録するための作業工程を作成し、今後の作業手順を確実なものとした。 1960年代に撮影されたCorona衛星写真と70年代以降に観測されたLandsat MSS、TM、ETM、ALOSといった衛星データを購入して土地被覆解析を開始することができた。両調査地における土地被覆を約50年の時間幅をもって比較することが可能なことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
半世紀前の現地調査資料である写真・地図・スケッチのデジタル化の作業は、順調に進んだ。また、1960年代に撮影されたCorona衛星写真と70年代以降に観測されたLandsat MSS、TM、ETM、ALOSといった衛星データを購入して土地被覆解析を開始することができた。 ただし、研究代表者・研究分担者が両調査地を訪れて、海外共同研究者と共に第1回目の現地調査を開始する予定であったが、ビザ取得の手続きに困難があったため、現地調査は実施することができなかった。次年度に実施予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に行ったアルジェリア・サハラ沙漠のイン・ベルベル・オアシスと、アラビア半島サウディ・アラビアのワーディ・ファーティマ・オアシスの2つのオアシスにおいて半世紀前に実施された現地調査資料の再整理(写真・地図のデジタル化等)を継続しながら、今後は現地調査に力を入れる。 景観分析班では、1960年代に撮影されたCorona衛星写真と70年代以降に観測されたLandsat MSS、TM、ETM、ALOSといった衛星データを利用して土地被覆解析を行い、住居域の変化や農地・植生域の増減などを定量的に把握し、記録写真とも比較しながら景観変遷を復元する。さらに地表景観の現地観察や、地域の古老、農家や土地所有者への聞き取りを実施して、生活の変化と景観の変遷とを対応させていく。 物質文化班では、家屋や井戸といった構造物に関して半世紀前の写真や図と比較しつつ、実測図・写真として記録する。また現地行政組織や博物館等に保管されている民具を対象として実測図・写真・動画・3Dデータをまとめる予定である。
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