研究課題/領域番号 |
16H05660
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80346098)
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研究分担者 |
淺野 悟史 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 研究員 (10747869)
堤田 成政 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (20650352)
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70346097)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地理情報システム / 地域研究 / 救荒作物 / アカシア林業 / 発展的継承 |
研究実績の概要 |
ナムドン県アカ集落において、カトゥ族伝統的集会施設グゥールの再建プロジェクトが進行中で、森林での木材伐採から加工、建設までの一連のプロセスを記録している途上である。この作業を通じてカトゥ族の伝統文化の把握だけでなく、現在の生業活動や生活様式の変容がいかに地域文化の維持継承に影響を与えているかを把握し、その発展的継承について集落住民と議論しその方向性を見極めている段階である。 また,ナムドン県ドイ集落では,地域のレジリエンスを評価する指標として根菜農耕文化の特徴である栄養生殖による救荒作物備蓄に着目し,これを定量できる手法としてタロイモ類の遺伝集団の利用を検討した。現地研究機関と協力しサンプルの解析を進めている。同集落では,アカシア林業と生業の多様性に関する研究も進めており,脆弱性の要因を検証するため住民への追加的な調査,および行政(コミューンオフィス)への詳細な聞き取りを実施した。行政機関では,稲作,畜産,プランテーションといった生業の種類と収入に占める割合について集落の状況と過去からの変遷について聞き取り,かつその資料を収集した。生業がアカシアプランテーションへ完全に特化した世帯も多く存在しており,こうした世帯の収入状況,買い付け価格の変遷,普段の食料の入手方法なども明確化した。支出状況についても項目(食費,教育,雑費等)ごとに聞き取りを行い,時系列で情報を整理することで生活構造の変質を検討した。これらの成果をとりまとめ,原著論文や学会発表を行った。また,現地大学(フエ農林大学)で研究セミナーを主催し,現地の研究者と情報を共有するなど,社会還元も鋭意実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査を予定通りに実施し,必要なデータを着実に収集し,解析結果を順次報告している。成果の一部は原著論文や国内外の学会で公表しており,おおむね順調に進展していると判断できる。 また,現地の大学(フエ農林大学)にて研究セミナーを開催し,研究成果の現地還元を行った点でも評価できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降は,現地調査と共に,成果発表により力をいれていく予定である。社会還元にも取り組み,現地のステークホルダー(研究者,地方政府役人,住民等)とも協働し,持続的な農村開発に向けた活動を展開する。
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