研究課題/領域番号 |
16H05709
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
加護野 忠男 甲南大学, 学長直属, 特別客員教授 (80030724)
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研究分担者 |
伊藤 宗彦 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (90362798)
石井 真一 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 教授 (70315969)
加藤 厚海 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (10388712)
下野 由貴 名古屋市立大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (20379473)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サプライチェーン / ASEAN / 経営戦略 / グローバル化 / 現地化 |
研究実績の概要 |
本研究は、ASEANにおける自動車サプライチェーンのグローバル化と現地化について考察することによって、サプライチェーンの競争優位性を分析するとともに、今後の有効なマネジメントを検討することを目的としている。 平成29年度は研究期間の2年目であったが、タイを中心としたASEANの日系自動車メーカー、および自動車部品メーカーの現状をケーススタディによって明らかにすることができた。具体的には、以下の3つの研究についてまとめることができた。 第一に、データ分析に基づいて、ASEANにおける日系自動車部品メーカーの特徴を明らかにした。ASEANで成長している自動車部品メーカーは、マルチサプライヤー化していることがわかった。マルチサプライヤー化とは、複数の保有技術に基づいて、部品の納入先を拡大している自動車部品メーカーのことである。 第二に、ASEANにおけるトヨタグループのサプライチェーン、特に、サプライヤー・デベロップメントについて精緻化することができた。トヨタグループの調査については、先行して1年目から実施していた。昨年も調査報告書やディスカッションペーパーとしてまとめていたが、今年度は書籍の一部としてまとめることができた。 第三に、トヨタグループ以外の日系自動車メーカーのサプライチェーンの特徴をまとめることができた。具体的には、日産、ホンダ、マツダ、三菱自動車である。これらの自動車メーカーは、トヨタグループとは異なる特徴があり、今後は自動車メーカーの分類を行う予定である。 ASEANの日系自動車メーカーのサプライチェーンと一言で言っても、ASEAN各国や日系自動車メーカーによって、その特徴が異なることを指摘することができたことは、今後の研究を進める意味でも、大きな意義があったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2年目は、タイとインドネシアにおいて、現地企業のインタビュー調査を計画していた。しかし、企業の都合などによって、実際はタイのみの調査しか実施することができなかった。その代りに、タイにおいて、当初予定していなかった企業のインタビュー調査を実施することができたので、インドネシアの未実施分をカバーすることはできたのではないかと考える。
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今後の研究の推進方策 |
3年目となる今年度は、引き続きタイを中心とした調査を進める。具体的には、新規の調査先を開拓するというよりも、これまでの調査対象企業の継続的な調査を行う。さらに、タイ以外のASEAN諸国、インドネシアやインドなどを中心に、現地企業のインタビュー調査を行い、タイとの比較などを実施する予定である。
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