研究課題/領域番号 |
16H05711
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
木村 純子 法政大学, 経営学部, 教授 (00342204)
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研究分担者 |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
上田 隆穂 学習院大学, 経済学部, 教授 (40176590)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | テロワール / 地域ブランド / 地理的表示保護制度 / 乳製品 / 移牧 / チーズ / 経済連携協定 |
研究実績の概要 |
本研究は、持続可能あるいは循環型社会という新たな価値観に注目し、それが農業経営にいかなる変更を要請するのかについて、国際比較という視点から、環境、生産、消費との関わりの中で探索的に明らかにすることを全体の目的としていた。具体的には、欧州と日本という文化的に異なる国での乳文化産業に焦点を当て、歴史分析ならびにインタビューやフィールドワークといった異なる複数の手法を組み合わせたアプローチにより収集された多様なデータの分析・解釈を通じて明らかにすることを目指し、異なる国における文化的差異に注目することにより、21 世紀型農業経営モデルの構築を試みた。
【具体的内容】2018年1月にイタリアのプーリアにおける乳文化の調査を実施した。 【意義】乳文化がすでに浸透しているイタリアにおける南イタリアの小さな村でたった7軒が組織するブッラータチーズの生産活動から地域活性化と地域ブランディングの創出論理を明らかにすることを試みた。 2017年11月には、イタリア外務省副大臣、駐日EU代表部副代表、駐日イタリア大使、日本農林水産省GI担当課長、フィレンツェ大学准教授、日本のGI生産者団体事務局長が登壇する国際シンポジウム「地理的表示制度と経済連携協定―EU、イタリア、および日本におけるGIの実践と効果―」を開催しヨーロッパと日本におけるGIの意義を議論した。 【重要性】持続可能な社会の概念が農業経営にいかなる影響を与えるかという研究潮流の発展を促進するための鍵概念を導出できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ分析を予定通り行うことができなかった。なぜなら、平成30年1月、イタリア国プーリア州での海外調査の結果、調査対象物の生産について当該地域の特色に基づいて生産が始まったという新たな情報を得て、研究遂行上、この情報の信憑性を確保する必要が生じたためである。新たに必要となった文献(特に歴史関連)データを収集・分析し、仮説の再構築検証を行い、国内外での追加調査を設計し実施する必要が生じた。追加計画のデータ分析も追加された為、分析期間も延長する必要が生じることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年1月に収集したイタリアにおける調査データを専門業者に依頼して文書化し、研究者がコード化をすみやかに進める。日本の乳文化に携わる主体、例えば北海道十勝で乳を生産する酪農家やチーズを生産する職人、および乳製品を活用した地域活性化を目指す関連主体に対する調査を実施する。 収集したデータの分析、日伊における追加調査によるさらなるデータ収集、データの分析を行い、積極的に研究成果を発表していく。
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