研究課題/領域番号 |
16H05718
|
研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
宮北 隆志 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50112404)
|
研究分担者 |
花田 昌宜 (花田昌宣) 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
中地 重晴 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50586849)
Maung Maung Lwin 熊本学園大学, 経済学部, 教授 (90229633) [辞退]
吉村 千恵 熊本学園大学, 社会福祉学部, 講師 (00638190)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | タイ / ミャンマー / 工業化 / 地域社会 / 地域資源 / 域外責務 / 環境民主主義 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、タイにて、9月、12月、3月に現地調査、並びに、海外協力研究者であるEARTH (NGO)のメンバー、チュラロンコン大学平和と紛争研究センターのスリチャイ氏を含めての合同研究会を開催した。また、9月にはバンコクにて、 "MINAMATA 60th: Learning from Industrial Disaster towards Sustainable Society and Environment"をEARTHなど9団体との共催で開催し、開発と環境破壊・人権侵害に関する日・タイ両国における課題について、政府関係者、研究者、地域住民など200名を超える参加者と情報共有し意見交換を行った。 タイにおける調査研究のフィールドは、東北タイ・ルーイ県タンボンカオルアングの金鉱山に隣接するナ・ノン・ボン村を含む6つのコミュニティである。金鉱山の操業が地域住民の生活に及ぼす状況について、これまでの環境調査や健康調査の結果を整理・分析すると同時に、ローカルな資源(モノ・コト・ヒト)を住民自身の力で地域のために活用できる持続可能でレジリアントなコミュニティを構想するためのワークショップを開催し、「ラーニングセンター(仮称)」の設立に向けた議論を開始した。 一方、ミャンマーにおける経済特区(SEZ)に関わる課題については、昨年2月の現地予備調査で得た情報と地元住民・NPO・研究者とつながりを活かし、9月に来日したティラワ社会開発グループ、EARTHRIGHTS INTERNATIONAL、並びに、(特活)メコン・ウオッチのメンバーらと情報共有・意見交換を行い、ティラワSEZに関わる日本企業3社(三菱、住友、丸紅)との会合にも参加した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
5月末に予定していたフォーラム"MINAMATA 60th: Learning from Industrial Disaster towards Sustainable Society and Environment"を、2016熊本地震の影響(本学における800名を超える被災者の受け入れと避難所運営など)で9月10日に延期せざるを得なかったことから、タイ・ミャンマーにおける現地調査、並びに、合同研究会を当初のスケジュール通りには実施できなかった。 一方で、スリチャイ氏(チュラロンコン大学)やシリポーン氏(メーファールング大学)の来熊・被災地視察の機会を得て、開発と環境民主主義・域外責務などに関する研究会・意見交換会を開催できたのは有意義であった。
|
今後の研究の推進方策 |
海外共同研究者、並びに、開発と人権侵害に向き合うタイ・ミャンマー両国の地域住民との連携を基盤に、地域固有の資源を地域のために活かすことができる、持続可能でレジリアントなコミュニティの実現に向けた取り組みの課題を共有し、クロスボーダーな工業化・人権侵害と域外責務・環境民主主義に関する考察を深めたい。
|