研究課題/領域番号 |
16H05718
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
宮北 隆志 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50112404)
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研究分担者 |
中地 重晴 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (50586849)
花田 昌宜 (花田昌宣) 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (30271456)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | タイ / ミャンマー / 工業化 / 地域社会 / 地域資源 / 域外責務 / 環境民主主義 / 小規模金採掘 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、タイにて、6月、8月、ミャンマーにて、3月に現地調査、国内では5月に第2回サービスラーニング全国フォーラム(テーマ:地域と大学の協働の未来を描く、日本福祉大学)に参加、10月に定例研究会(テーマ1:ミャンマー・ティラワ経済特区の現状と課題、テーマ2:環境を守る物語の力-東北タイの伝承と開発、熊本学園大学)を開催した。 タイにおける調査研究のフィールドは、東北タイ・ルーイ県ワンサファング郡の金鉱山に隣接するナノンボン村を含む6つのコミュニティである。金鉱山への進出・操業が地域住民の生活に及ぼす影響について明らかにするために、様々な環境調査や健康調査の結果や国・地元行政の対応を整理・分析すると同時に、ローカルな資源(モノ・コト・ヒト)を住民自身の力で地域のために活用できる持続可能でレジリアントなコミュニティを構想するためのワークショップを開催し、「ラーニングセンター」の設立に向けた議論を開始している。 一方、ミャンマーにおける経済特区(SEZ)に関わる課題については、メコン・ウォッチの事務局長(木口由香氏)、並びに、東北タイのEco Culture Group代表(バンペン・チャイヤラック氏)を招いての研究会を開催し、情報共有・意見交換を継続的に行っている。 さらに、クロスボーダーな開発と域外責務(ETOs)の視点から、ミャンマー・シング―郊外のケンタウン村における小規模金採掘(ASGM)に関して、京大アジア・アフリカ地域研究研究科と連携した予備調査を、ミャンマー天然資源省環境保護局の協力を得て実施し、中規模の鉱石採掘現場と粉砕、浮遊選鉱による鉱石精製工程を見学、会社幹部と操業に関する意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究責任者の不測の病気により、タイ・ミャンマーにおけるワークショップの継続、合同研究会の開催、現地調査はスケジュール通りに実施できなかったが、開発と環境民主主義・域外責務、地域資源の活用による自立的な地域課題の開発と発展に関する資料・情報の蓄積・整理は一定程度進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
海外共同研究者、開発と人権侵害に向き合うタイ・ミャンマー両国の地域住民との連携を基盤に、地域固有の資源を地域のために活かすことのできる、持続可能でレジリアントなコミュニティの実現に向けた取り組みの課題を、タイ・ミャンマー・日本で横に繋がり共有し、クロスボーダーな開発・工業化と人権侵害・域外責務・環境民主主義に関する考察を深めたい。
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