研究課題/領域番号 |
16H05726
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
窪田 眞二 筑波大学, 人間系, 教授 (80170033)
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研究分担者 |
岩崎 久美子 放送大学, 教養学部, 教授 (10259989)
江里口 歡人 玉川大学, 教育学部, 教授 (90266255)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教員養成課程 / 教員の質 / IB教員資格 / 教育受容 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
本研究では、国際バカロレア (IB) のディプロマ・プログラム (DP) に対応した教員養成課程に焦点を当て、その実態を明らかにしてきた。 本年度は、第一次現地調査として、IB教員養成課程を設置するイギリス、マレーシア、カナダ、オーストラリアの大学を訪問し、IB教員養成課程の運用実態およびカリキュラム内容に関わるインタビュー調査を実施した。また、IBから認定を受ける日本の一条校を訪問し、日本におけるIBの受容実態を把握するとともに、「如何なる教員養成が必要か」という観点からインタビュー調査を実施した。 IBの導入は、いわゆる「講義形式」の教授法に変革を迫るため、IB教員はそれに対応することが求められる。しかしながら、IB教員としての「資格」を得るためのワークショップはわずか3日間であり、その受講のみでIB教育に対応するのは困難である。また、ワークショップの費用は高額であるため、研修を目的に毎年継続的に受講することも難しい。そのため、IB認定校は校内研修を通じ、IB教育の理解やアクティブ・ラーニング型の授業への対応を試みていることが明らかになった。 また、新たに,外部から既存の教育とは異なる教育プログラムが導入されるにあたり、「どの教員が」当該教育プログラムを担当するかということが、IB認定校内で非常に大きな問題となっていることが明らかとなった。一般にIB教育の授業設計には多くの時間を要すると言われ、とりわけ、「トップダウン」でのIB導入の場合、IBに積極的なグループと消極的なグループが形成される。 今後は、IB教育に対応した教員養成課程の実態および課題の把握をさらに進めるとともに、日本という独自の文脈におけるIB教育の創成に向けた考察を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、諸外国(イギリス、マレーシア、カナダ、オーストラリア)のIB教員養成課程を設置する大学における現地調査を実施し、研究ネットワークの構築が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に調査した調査結果を比較、考察し、整理していく。その上で研究内容に関して、海外の関係専門家と十分に議論を行なう。また、上記の研究成果を基とした第二次現地調査を通じて諸外国の研究者との意見交換を行なう。 第二次調査においては、IB に対応した教員養成がもたらす学習成果に関する実証研究を各国の研究者と協働で実施する。調査フレームワークの詳細は、今後、協力者間での議論を基に構築していくが、対象とする中等教育学校は、各国においてDP を導入しているIB認定校とする。
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