研究課題/領域番号 |
16H05747
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
甲山 治 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (70402089)
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研究分担者 |
伊藤 雅之 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 研究員 (70456820)
嶋村 鉄也 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (80447987)
渡辺 一生 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (30533012)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インドネシア / 泥炭地火災 / PM10 / CO |
研究実績の概要 |
2015 年6月から10月にかけての火災は過去最大級の被害とされ,インドネシア全土で火災面積が200 万ha 以上,大気へ放出された炭素は日本の化石燃料由来の年間CO2排出を超えたと推計される.インドネシア全体では9月と10月に火災火災が集中しているが,リアウ州ではほかの地域に比べて火災ホットスポットの検出が少なく,かつ火災のピークは7月であったことが推測される.発生時期の違いと降水の関係を明らかにした. また火災からのヘイズに含まれる粒子状物質は,呼吸器疾患,循環器疾患,肺がんを増加させることが報告されており,ヘイズに伴う健康被害に対する懸念は周辺国だけでなく,インドネシア国内でも高まっている.しかし火災検出数が多い地域と地域の患者数の関係を見出すことはできなかった.しかも泥炭地火災によるヘイズと健康影響の定量的評価(曝露―健康影響の関係)に関する報告もほとんどない.そこでまずはスマトラ島リアウ州プカンバル市環境局で観測された粒子状物質PM10および一酸化炭素濃度を比較することで,現地における大気汚染状況に関する解析を行った.図3は2010年から2015年にかけてのプカンバル環境局で同時観測されたPM10を縦軸に,COを横軸にとった散布図である.この図から他の年に比べ2015年はPM10濃度が高く,CO濃度が低い傾向が見られた. 2016年度から環境局の観測機器の不具合が生じていることから,日本から補修部品を取り寄せるとともに,新しくPM2.5の観測機器を設置し,観測を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カウンターパートのリアウ大学とMoUを結び,プカンバル氏の環境局とも共同研究を開始した.その結果,プカンバル氏における泥炭地火災発生時の大気汚染状況を把握することができた.
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今後の研究の推進方策 |
今後はリアウ州とのMoU締結を行い,調査村であるリアウ州ブンカリス県のタンジュンルバン村にてより実践的な熱帯泥炭湿地の水文過程解明と防火のための水・植生管理の検討を行う.
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