研究課題
2020年度、2021年度(COVID-19による繰越)、2022年度(COVID19-による事故繰越)は、主としてそれ以前の海外植物調査のサンプル処理とデータ解析を海外の研究者と共同で行った。その結果、ユリ属(ユリ科)、ツユクサ科、ヤマノイモ属(ヤマノイモ科)の研究が特に大きく進展した。まず、ユリ属研究においては、葉緑体と核とで別個に系統樹を構築して両方の系統樹に共通した12個のクレードを見出し、加えて綿密な形態解析を行って12クレードを支持する形態形質を発見し、12節を認める新しい分類体系を設立した。また同時に、ユリ属の祖先種から12節の祖先種に至る進化の過程では網状進化したにもかかわらず、その後、節間に生殖的隔離が形成された可能性が高いことを示した。次に、ツユクサ科研究においては、葉緑体系統樹を構築した上で形態解析を行い、形態で支持されたクレードを手掛かりに2亜科6連7亜連37属からなる新しい分類体系を設立した。また同時に、花序と花の相称性の複雑な進化を理解する上での本質的な問題点も整理した。さらに、ヤマノイモ属研究においては、葉緑体と核の両系統樹の分岐順序がよく一致していることから、日本産ヤマノイモ属の進化には雑種形成はあまり関わっていないと推定した。また、日本と東南アジアのヤマノイモ属各分類群の系統的位置と形態の比較から、日本産ヤマノイモ属は16種3変種からなると結論付けた。その他、キンバイザサ属(キンバイザサ科)やクサスギカズラ科においても重点的に解析を進めた。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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