研究課題
2018年8月4~15日に陝西省宝鶏市周辺、2018年9月13~24日に広東省石門台周辺で調査を実施するとともに、これまでに四川省や雲南省などで得られた材料に基づいて系統分類学的研究を進めた。まず、チョウ目では、ヒゲナガガ科Nemophora属、マガリガ科Vespina属、ツヤコガ科Antispila属、チビガ科Bucculatrix属について、10種以上の新種記載を含む論文を作成・投稿中である。モグリチビガ上科については2科5属10種を確認し、そのすべてが中国未記録種か未記載種であった。ホソガ科では、これまでアジア地域では未知のトチノキ属を寄主とするホソガ亜科の未記載種を発見し、中国固有種として幼虫形態・生活史とともに新種記載を行った。カメムシ目では、日本及び北米に侵入し街路樹や果樹の害虫としてその天敵が探索されているシタベニハゴロモに、セミヤドリガ科幼虫が寄生することを初めて確認した。また、四川省で観察したヨコバイ科のInflatopina intosaを陝西省でも多数確認し、カマバチの寄生が99%以上であることを明らかにした。ハナカメムシ科については、広東省で中国未記録4種を含む7属10種を確認した。また、蔬菜類害虫の天敵として知られるミナミヒメハナカメムシを多数確認するとともに、市街地のガジュマル類からモンシロハナカメムシ属の一種(中国未記録種)を確認した。ハチ目では、チョウ目やクモを寄主とするヒラタヒメバチ亜科を中心に分類学的な検討を行い、チョウ目の幼虫や蛹の捕食寄生者であり農業害虫の潜在的天敵であるXanthopimpla属6種、Pimpla属3種などを認めた。以上のように、中国ヒマラヤ地域における昆虫類の種多様性解明が進むとともに、農林害虫の天敵に関する有用な情報を得ることができた。今後は、日本の昆虫相との関連性について分類群ごとに解析を進め公表する。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 10件、 招待講演 9件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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