研究課題/領域番号 |
16H05779
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
本間 香貴 東北大学, 農学研究科, 教授 (60397560)
|
研究分担者 |
吉田 貢士 茨城大学, 農学部, 准教授 (20420226)
牧 雅康 東北工業大学, 工学部, 准教授 (50375391)
百村 帝彦 九州大学, 熱帯農学研究センター, 准教授 (80360783)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 栽培持続性 / トウモロコシ / キャッサバ / 森林破壊 / リモートセンシング / 水利モデル |
研究実績の概要 |
平成29年度は九州大学で合同研究会を行い各分担者の進捗状況を確認し,今後の研究のスケジュールを確認した.確認に基づき調査スケジュールを計画し,10・11月に合同調査を行った.合同調査では栽培植物の確認を行い,最近の栽培作物の変遷について確認を行った.さらにキャッサバを中心に栽培作物の生育調査を行い,土壌水分含量や,葉面積指数,分光反射特性などを計測した.合わせてUAV(Unmanned Air Vehicle)を用いて空からリモートセンシング計測を行い,マルチスペクトルデータや地形情報の取得を行った.また農家に対してインタビュー調査を行い,栽培作物の変遷や森林管理について情報収集を行った.以上のデータは共同研究者間で共有するとともに,各研究者が専門に応じて解析を進めることとなった. 平成29年度までのデータを基に解析を行い,学会発表や論文投稿を行った.特に現地の換金作物であるトウモロコシについては,栽培歴の異なる圃場間を比較することにより,生産性の経年変化を評価した.経年変化に基づくと生産性の低下は比較的緩やかであり,平均して46年間の持続的な生産が可能であることが示唆された.一方で収益から評価を行うと,いくつかの圃場では既に収益性がマイナスとなっており,プラスであっても損益限界点に近い圃場も多かった.これらの傾向が,現地での栽培作物の変遷を引き起こす原動力となっており,より土壌養分収奪的な作物が栽培へ変化することが示唆された.以上の事より,現地において持続可能が栽培管理を行うためには,土壌肥沃度維持などの支店の導入が急務であることが示された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成29年度は合同研究会に合同調査を行い,それにより当初想定していた以上の成果を得ることができた.合同研究会で各共同研究者の研究手法を深く理解することにより,合同調査がスムーズに行き,データを効率的に取得することができた.またこれまでの成果を基に論文発表することができたうえ,さらに2本投稿直前までこぎつけることができ,今後の更なる進捗が期待できる.
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度はこれまでの調査結果を各共同研究者が取りまとめることを中心に,合同研究会もしくは学会での共同発表を目指すことにする.本研究は作物学の他,農村計画・水利学,リモートセンシング学,森林資源学等が組み合わさった学際的な研究であり,各研究者の情報を統合的に解析することにより,相乗的な効果が生み出されることが期待される. 各共同研究者の解析状況に応じて,合同調査を行うことを計画する.栽培作物に関する情報等については経時的な情報が非常に有益であり,現地での観察を基に衛星画像を解析することで,比較的広範囲な地域の作物の栽培状況が確認できることが期待される.また,その情報に基づき,現地調査の場所を決定することにより,現在の解析では不十分な点を重点的に調査することができると考えている.
|