メコンオオナマズは世界最大の淡水魚で、全長3m、体重300kgにも成長する。昨今は野生絶滅が危惧されている。タイ国水産局は本種の人工種苗を国内の湖沼に広く放流してきた。我々はタイ国水産局の要請に応じて、タイ国ケンカチャン湖において人工種苗の移動と分布を超音波テレメトリーを用いてモニタリングした。また、あわせて、炭素窒素安定同位体比分析技術を用いて、同湖における本種の餌資源を探索した。人工種苗は、放流後1か月は湖を広く移動したが、その後移動範囲は狭くなった。大型の人工種苗については摂餌に関わる移動をモニタリングできた。また、炭素窒素安定同位体比分析によって、湖内での餌資源を推定できた。
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