研究課題/領域番号 |
16H05803
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
松林 誠 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (00321076)
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研究分担者 |
所 正治 金沢大学, 医学系, 准教授 (30338024)
笹井 和美 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (70211935)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インドネシア / 牛 / 豚 / 鶏 / 家畜生産性 / 消化管寄生原虫 |
研究実績の概要 |
若齢動物における下痢症のコントロールは、生産性向上のために必須要素である。インドネシア国の家畜において、これまで原虫・寄生虫の感染率は不明である。そのため、まず、Tangerang およびBogor 地域で、豚、牛、鶏等の農家を対象にフィールド調査を実施した。その結果、飼育形態については農家個人レベルでその方法は著しく異なり、感染症に対する意識も大きく異なることが分かった。今年度は、昨年に続き、再度、同エリアにおいて、乾季における採材を実施した。ショ糖浮遊法、原虫を特異的に検出できる蛍光抗体法等を実施し、クリプトスポリジウム、ジアルジア、エントアメーバ、アイメリア等を検出した。アイメリアについては、1gあたりのオーシスト数を測定し、感染程度を評価した。全ての陽性検体から原虫を精製し、DNA を抽出後、一部の検体についてPCR を行った結果、ジアルジアの遺伝子型 (Assemblage)を決定できた。また、豚においては、古典的な飼育方法を行なっている農家において、高率にエントアメーバに感染していることが示唆された。これらのエントアメーバについては、種およびサブタイプの型を決定する予定である。また鶏のコクシジウムについては、採材した鶏の症状から病原性の高いE. tenella に感染していたことが推測された。再度、幼雛における感染試験においても、血便症状が確認され、死亡もみられた。今後は、さらに遺伝子解析を進め、種及びサブタイプを決定し、飼育形態と感染率との原虫分布マップを作成する。また、これらの成果を学会等で発表し、またインドネシア国内においても、ワークショップを開催し、知識および技術の普及に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Tngerang 地域において、原虫・寄生虫に高度に汚染されているエリアを特定でき、全ての陽性検体で原虫の精製が完了し、一部でPCR解析が終了し、遺伝子型を決定できた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、年度別の比較を行うため、継続してフィールド調査を実施する。また、検出された寄生虫・原虫の病原性および人獣共通感染性等を評価するため、遺伝子解析を継続して実施し、飼育形態との関連性を明らかにし、病原性を解析するため、感染実験を実施する。
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