• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

Virome解析による中南米・東南アジアに潜在する病原性ウイルスの探索

研究課題

研究課題/領域番号 16H05805
研究機関北海道大学

研究代表者

澤 洋文  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)

研究分担者 大場 靖子  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 講師 (60507169)
佐々木 道仁  北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 特任助教 (70609403)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードウイルス / ゲノム解析 / 新興・再興感染症 / キューバ / 台湾 / インドネシア / 蚊
研究実績の概要

本研究は現在申請者が有している国際ネットワークを活用し、調査フィールドを線として繋げ、Virome解析手法等を用いて新興・再興感染症の原因となる新規及び既知の病原体の分布状況を把握すること、得られた情報を既得の情報と比較することにより病原性ウイルスの分布・進化・生活環を把握することを目指す。
平成29年度は8月に研究分担者の大場靖子講師、研究協力者のWilliam Hall教授と共にキューバ国を訪問し、ハバナに位置する熱帯医学研究所(Instituto de Medicina Tropical Pedro Kouri)において今後のアルボウイルス感染症に関する共同研究の打ち合わせを実施した。
また、10月には研究分担者の佐々木道仁助教と共に、インドネシアのボゴール農業大学の獣医学部を訪問し、Agus Setiyono博士、Ekowati Handharyani博士と面会して、共同研究を実施するにあたってのインドネシア政府機関への書類の申請の手続きについて確認し、実際に手続きを進めることを合意した。
さらに、平成28年度に台湾中興大学獣医系細菌学研究室のShyu Ching-Lin博士、昆虫学系医学昆虫学研究室のTu Wu-Chun博士との共同研究で実施した調査で採集した蚊から抽出した核酸を用いて、RT-PCR法、および次世代シーケンサーの手法を用いてウイルスの探索を実施し、コガタアカイエカ、ネッタイイエカから新規のブニヤウイルスを検出した。このうち、ネッタイイエカから検出したブニヤウイルスは全ゲノム塩基配列を決定した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・平成28年8月12日から18日にかけて、研究分担者の大場靖子講師、研究協力者のWilliam Hall教授と共にキューバ国を訪問し、ハバナに位置する熱帯医学研究所において、アルボウイルスに関する診断法について、またこれまで実施した疫学研究に関する実績を紹介した。また、熱帯医学研究所からも現在の研究内容等についての説明を受け、その状況を把握した上で、今後のアルボウイルス感染症に関する共同研究に関する可能性に関して打ち合わせを実施した。
・佐々木道仁助教と共に、10月16日から10月19日にかけて、インドネシアのボゴール農業大学の獣医学部を訪問して、Agus Setiyono博士、Ekowati Handharyani博士と面会して、両博士との共同研究を実施するにあたってのインドネシア政府機関への書類の申請の手続きについて確認し、実際に手続きを進めることを合意した。また、ボゴール農業大学構内での蚊の発生状況をHandharyani博士と共に確認した。
・平成28年度に台湾中興大学獣医系細菌学研究室のShyu Ching-Lin博士、昆虫学系医学昆虫学研究室のTu Wu-Chun博士との共同研究で実施した疫学調査において採集した蚊から抽出した核酸を用いて、RT-PCR法、および次世代シーケンサーを用いてウイルスゲノムの解析を実施し、新規のフレボウイルス等を検出した。
以上、平成29年度においては研究計画はおおむね順調に進展していると判断される。

今後の研究の推進方策

平成30 年度においては、以下の研究を実施する。
・中南米のキューバ国のハバナに位置する熱帯医学研究所、もしくはブラジル国のリオデジャネイロのOswaldo Cruz Foundation (FioCruz)研究所との、アルボウイルス感染症等に関する共同研究計画の実施に向けて交渉を継続する。
・インドネシアのボゴール農業大学獣医学部と進めているウイルスを対象とした疫学調査の共同研究計画の実施許可の認証を受けるべく、共同研究者であるAgus Setiyono博士、Ekowati Handharyani博士と協力して手続きを進める。
・台湾の中興大学と共同研究として実施している蚊を対象としたウイルス疫学調査で得られたフレボウイルスの保有状況について、蚊の採集数を増やして検討する。
・ベトナムの国立衛生疫学研究所内に設置されたThe Ireland Vietnam Blood Borne Virus Initiative (IVVI)で採集している蚊を用いたウイルスの解析の実施に向けた計画を立案する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ボゴール農業大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ボゴール農業大学
  • [国際共同研究] 熱帯医学研究所(キューバ)

    • 国名
      キューバ
    • 外国機関名
      熱帯医学研究所
  • [国際共同研究] 中興大学(台湾)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      中興大学
  • [国際共同研究] 国立アイルランド大学ダブリン校(アイルランド)

    • 国名
      アイルランド
    • 外国機関名
      国立アイルランド大学ダブリン校
  • [雑誌論文] Detection of novel gammaherpesviruses from fruit bats in Indonesia2018

    • 著者名/発表者名
      Wada Yuji、Sasaki Michihito、Setiyono Agus、Handharyani Ekowati、Rahmadani Ibenu、Taha Siswatiana、Adiani Sri、Latief Munira、Kholilullah Zainal Abidin、Subangkit Mawar、Kobayashi Shintaro、Nakamura Ichiro、Kimura Takashi、Orba Yasuko、Sawa Hirofumi
    • 雑誌名

      Journal of Medical Microbiology

      巻: 67 ページ: 415~422

    • DOI

      10.1099/jmm.0.000689

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Discovery of a novel antiviral agent targeting the nonstructural protein 4 (nsP4) of chikungunya virus2017

    • 著者名/発表者名
      Wada Yuji、Orba Yasuko、Sasaki Michihito、Kobayashi Shintaro、Carr Michael J.、Nobori Haruaki、Sato Akihiko、Hall William W.、Sawa Hirofumi
    • 雑誌名

      Virology

      巻: 505 ページ: 102~112

    • DOI

      10.1016/j.virol.2017.02.014

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Discovery of African bat polyomaviruses and infrequent recombination in the large T antigen in the Polyomaviridae2017

    • 著者名/発表者名
      Carr Michael、Gonzalez Gabriel、Sasaki Michihito、Ito Kimihito、Ishii Akihiro、Hang’ombe Bernard M、Mweene Aaron S、Orba Yasuko、Sawa Hirofumi
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 98 ページ: 726~738

    • DOI

      10.1099/jgv.0.000737

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Identification of the same polyomavirus species in different African horseshoe bat species is indicative of short-range host-switching events2017

    • 著者名/発表者名
      Carr Michael、Gonzalez Gabriel、Sasaki Michihito、Dool Serena E.、Ito Kimihito、Ishii Akihiro、Hang’ombe Bernard M.、Mweene Aaron S.、Teeling Emma C.、Hall William W.、Orba Yasuko、Sawa Hirofumi
    • 雑誌名

      Journal of General Virology

      巻: 98 ページ: 2771~2785

    • DOI

      10.1099/jgv.0.000935

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] "Discovery of diverse arthropod bunyaviruses in field-collected mosquitoes and ticks and their evolution "2017

    • 著者名/発表者名
      Hirofumi Sawa,Keita Matsuno,Ryo Nakao, Michihito Sasaki, Yasuko Orba
    • 学会等名
      第65回日本ウイルス学会学術集会
    • 招待講演
  • [学会発表] Discovery of diverse mosquito-borne bunyaviruses in field-collected mosquitoes2017

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Orba, Bernard M. Hang’ombe, Aaron S. Mweene, Paulina D.Anindita, Phongphaew Wallaya, Yuji Wada, Michihito Sasaki, Yuki Eshita, Hirofumi Sawa
    • 学会等名
      第65回日本ウイルス学会学術集会

URL: 

公開日: 2018-12-17   更新日: 2022-08-05  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi