研究課題
本研究は、現在申請者が有している国際ネットワークを活用し、調査フィールドを線として繋げ、Virome解析手法等を用いて、新興・再興感染症の原因となる新規及び既知の病原体の分布状況を把握すること、得られた情報を既得の情報と比較することにより病原性ウイルスの分布・進化・生活環を把握することを目指す。2018年度にボリビアのトリニダ地域で採集した蚊を用いてウイルスの探索を実施した結果同定した3種の新規フラビウイルスについて、各種培養細胞を用いて単離を試みると同時に、ウイルスゲノムの遺伝子解析、単離ウイルスの性状解析を実施した。3種の内、2種の蚊特異的ウイルス(cISF)は培養細胞を用いたウイルス単離が出来なかったため、ウイルスが検出された蚊プールのRNAを用いたNGS解析によりウイルスゲノムのほぼ全長を同定した。残る1種の新規のフラビウイルスはC6/36ヒトスジシマカ由来細胞を用いて単離に成功した。培養上清中には40 nmのウイルス粒子を電子顕微鏡で確認した。ウイルスゲノムはNGSおよびRACE法により全長を同定した。系統樹解析の結果から、新規に単離したウイルスはdual-host affiliated flaviviruses (dISFs)に属するフラビウイルスと考えられた。ベトナムの国立衛生疫学研究所のThe Ireland Vietnam Blood Borne Virus Initiative (IVVI)と共同して、ハノイ市内で採集したメス蚊48プールから抽出したRNAを用いてフラビウイルス、ブニヤウイルス、アルファウイルスのスクリーニングおよびデング1型、チクングニヤウイルスの特異的qRT-PCRを実施した。その結果、各フラビウイルスおよびチクングニヤウイルスは検出されなかった。インドネシアのボゴール農業大学獣医学部のSetiyono教授と共同して、ウシから抽出した核酸を用いて病原体のゲノムを検出することを試みた。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
J Vet Med Sci
巻: 82(2) ページ: 162-167
10.1292/jvms.19-0424.
Emerg Infect Dis.
巻: 26(4): ページ: 811-814
10.3201/eid2604.190954.
Sci Rep
巻: 9(1) ページ: 5045
10.1038/s41598-019-41358-z
PLoS Neg Trop Dis
巻: 13(6) ページ: e0007480
10.1371/journal.pntd.0007480
Arch Virol
巻: 164(8) ページ: 2165-2170
10.1007/s00705-019-04302-0
Virus Genes
巻: 55(5) ページ: 630-642
10.1007/s11262-019-01683-x
巻: 55(5) ページ: 713-719
10.1007/s11262-019-01682-y
http://www.czc.hokudai.ac.jp/pathobiol/