研究分担者 |
田中 壮太 高知大学, 教育研究部総合科学系黒潮圏科学部門, 教授 (10304669)
島村 智子 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (50350179)
康 峪梅 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 教授 (70284429)
上野 大勢 高知大学, 教育研究部総合科学系生命環境医学部門, 准教授 (90581299)
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研究実績の概要 |
前年度に選定した各圃場で採取した土壌および茶葉試料について各種分析を行い,以下の結果を得た. 1.土壌試料 Tan Cuong土壌の土性は砂壌土~軽埴土であった.pHは表層土3.2~4.4,下層3.4~5.0とSong Cau土壌に比ベ酸性が強かった.川から遠い圃場の多くは粘土含量が高く,交換性Alが高い傾向があった.強酸性の条件にも関わらず表層土,下層土ともに交換性塩基,可給態Pは比較的多く,過剰施肥による下方への養分流亡が懸念された.全炭素・全窒素は栽培年数が増えるほど高く,剪定枝葉由来の有機物の経年蓄積によると推察された.一方,粘土含量と聞き取りに基づく茶葉の生産者価格の間に負の相関がみられ,川に近い粗粒質土壌では,物理性の面で茶樹の生育環境は良好であったと考えられた.川から遠い圃場では,強い酸性条件のため過剰のAlが茶樹へ悪影響を及ぼしている可能性が示唆された. 2.茶葉試料 同一品種(Trung Du)の養分含有率(新芽)を地点間で比較すると,洪水の影響を受ける川沿いの圃場では,N, P, Zn, Cu等の含有率が川から遠い地点よりも高い傾向にあった.一方,Al含有率は川から離れるにつれて高くなる傾向が認められた.同一圃場で栽培されていた3品種(LDP1, Trung Du, TR777)の養分含有率(新芽)を比較したところ,LDP1のN, P, Cu含有率は,他の品種よりも有意に低く,Ca, Zn含有率は高い傾向が認められた.一方,茶葉の熱水可溶性養分含有率と全含有率の間の関係を調べたところ,P, Mg, Mn, Zn, Alで有意な相関が認められた.熱水抽出物の抗酸化活性は,Son Cauの茶葉のほうがTan Cuongよりもやや高い傾向が認められた.また,総ポリフェノール量・抗酸化活性と熱水可溶性P含有率との間に負の相関が認められた.
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