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2018 年度 実績報告書

インドネシア産自生植物および伝承薬の化学的保存

研究課題

研究課題/領域番号 16H05811
研究機関金沢大学

研究代表者

後藤 享子  金沢大学, 薬学系, 准教授 (50180245)

研究分担者 三宅 克典  東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20597687)
斎藤 洋平  金沢大学, 先進予防医学研究センター, 助教 (90723825)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードインドネシア産植物
研究実績の概要

豊富な固有種を有するインドネシア産植物ならびにインドネシア伝承薬に着目し、それらが含有する新規二次代謝産物の化学的保存と生理活性評価を目的としている。評価対象とした生理活性は、伝承薬としてはこれまで検討が十分でない抗がんあるいは抗ウイルス作用であり、新規骨格あるいは新規な医薬品候補と成り得るリード化合物の発見を目指す。
前年度から開始している植物エキスの分画、精製を引き続き行い、当該年度には非常にユニークな骨格を有する新規アルカロイド数種を単離し、構造決定を行った。そのうちの2種については、NMRによる構造決定が困難であったため、現在単結晶X線構造解析を検討中である。
10月には共同研究者、植物学者らと共にインドネシアジャカルタにあるインドネシア科学院(LIPI)を訪問し、インドネシア産植物について貴重な各種情報を得ることができた。さらにスラウェシ島に赴き、植物探索ならびに採取を行った。約40種を採取し、現地で標本を作成するとともにエキスを調整した後、がん細胞増殖抑制・抗ウイルス活性試験を行った。その結果、顕著な数種のがん細胞に対して増殖抑制効果を示す植物ならびに難治性トリプルネガティブ乳がんに選択的に効果を示すものが見つかった。そのうちの一つが、新種である可能性が示唆され、現在種の同定、ならびに分画による二次代謝産物の単離構造決定に着手している。
また、前年度に得られた結果を論文にまとめ、当該年度に国際学術専門誌に投稿し受理された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インドネシアスラウェシ島の植物探索、採取により得られ、顕著ながん細胞増殖抑制活性を示す固有種が新種である可能性が示唆された。現在種の同定ならびに分画を行っている。
また当該年度には、新規アルカロイド数種を単離することに成功し、全構造の詳細を決定中である。更にこれまでの結果の一部をまとめ、国際雑誌に投稿し受理された。従って4年間の研究期間の3年度として、概ね順調と判断できる。

今後の研究の推進方策

インドネシアに訪問した際、ハサヌディン大学薬学部長であるG. Alam教授から継続的な協力に加え、生物多様性条約ならびにインドネシア植物全般に関してインドネシア科学院(LIPI)の協力をも得ることが出来、今後の研究の大きな推進力となると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] ハサヌディン大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      ハサヌディン大学
  • [雑誌論文] Kleinhospitine E and cycloartane triterpenoids from Kleinhovia hospita L2018

    • 著者名/発表者名
      Rahim A, Saito Y, Miyake K, Goto M, Chen CH, Alam G, Morris-Natchke S, Lee KH, Nakagawa-Goto K
    • 雑誌名

      J Nat Prod

      巻: 81 ページ: 1619-1627

    • DOI

      10.1021/acs.jnatprod.8b00211

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Quinoline Alkaloids from Melochia umbellata (Houtt.) Stapf. var. degrabrata2018

    • 著者名/発表者名
      Abdul Rahim, Yohei Saito, Gemini Alam, Masuo Goto, Kyoko Nakagawa-Goto
    • 学会等名
      日本薬学会第138年会

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公開日: 2019-12-27  

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