研究課題
抗ウイルス療法(ART)下で残存するHIV-1の解析は主に先進国の検体で行われており、途上国での情報は極めて乏しい。Treat-all policyによる途上国HIV医療の転換期にあたり、タンザニア共和国ダルエスサラーム市で、ART療法を受けているHIV陽性者の検体収集を行うことを主目的とした。まず、ムヒンビリ医科学大学医学部および保健学部の若手研究者、およびムヒンビリ国立病院の若手医療者を中心メンバーとする共同研究チームを立ち上げた。その後、共同研究チームとして、研究計画書を作成して、ムヒンビリ医科学大学、ムヒンビリ国立病院およびタンザニア政府に研究計画に関する倫理申請を行った。審査にかかった期間が想定よりも3か月ほど長くなったが、感染者に支払う謝金の金額等に修正の依頼があったのみで、研究計画が承認された。合わせて、血液検体および臨床データ(匿名化後に)を熊本大学に輸出する許可を得ることができた。同時に、熊本大学においても研究計画の倫理審査を受けて、計画が承認された。研究計画の承認を受けて、検体採取プロセスと、その後の遺伝子調製プロトコールの予備検討を行った。本研究では当初フィルターペーパーへの血液の滴下を計画していたが、ムヒンビリ医科学大学の冷凍庫を借りることができるようになったため、血液から血漿およびPBMCを分離して凍結保存する方法を採用することとした。この方法の方が、ウイルス遺伝子の増幅において、再現性、感度とも優れていることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
タンザニア政府からの研究計画の承認が当初の予想よりも3か月遅れた。その後の検体採取チームの立ち上げなどは、計画通りに進んでいる。
研究計画通りに進めて行く。
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Journal of Medical Virology
巻: 89 ページ: 123~129
10.1002/jmv.24612
mBio
巻: 7 ページ: e01516-15