研究課題
本年度は、ベラルーシでの試料収集拠点構築を中心に行った。まずミンスク市内にあるベラルーシ医科大学、ベラルーシ卒後医学アカデミー、ミンスクがんセンター、ベラルーシ小児がんセンターを訪問し、現地共同研究者、スタッフとの打ち合わせを行った。その結果、当研究における試料収集には、ミンスクがんセンターが最適であろうと考えられた。長崎大学ベラルーシ拠点のスタッフと一緒に、ミンスクがんセンター代表との業務委託契約の交渉を行い、最終的に採血からリンパ球の抽出までを現地で行ってもらうことで合意した。それに際し、日本から共同研究者を派遣し、抽出のプロトコールを供与、現地指導も行った。また、ベラルーシ政府保健省の生体サンプル国外持ち出し許可も無事取得できた。年度内に実験系のセットアップは完了し、順調に試料の収集が始まっている。本年度は30例程度を収集できた。また、モスクワの内分泌センターとも来年度から試料収集を開始すべく、協議を開始した。この施設とも順調に打ち合わせは進んでいる。ウクライナの共同研究者とも打ち合わせを行ったが、症例の管理が十分でなく、必要であればすでに供与されたチェルノブイリ組織バンクを用いるという選択肢を考慮する必要があると思われた。さらに、これまでに甲状腺癌の発症と関連する様々な一塩基多型について、すでに他研究で収集済みのサンプル・データ、公開データベース等を用い、解析対象の絞り込み、実験系のセットアップも行った。予想した通り、人種間でリスクアレル頻度に大きな差がある部位とそうでない部位があり、十分な解析を行うためには、必要な症例・コントロールの数には差があることが分かった。
2: おおむね順調に進展している
ベラルーシでの業務委託契約、保健省からのサンプル持ちだし許可をクリアし、症例の収集が開始された。予想では、本施設からも多数の検体の収集が可能であると予想され、これまでのところ順調に研究は進んでいる。
来年度は引き続きベラルーシからの症例収集を進めていく。また、ロシアからの検体採取も開始し、試料からのDNA抽出、遺伝子多型の解析も開始していく。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
Sci Rep
巻: 7 ページ: 41752
10.1038/srep41752
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