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2018 年度 実績報告書

ケニアのHIV感染および非感染小児下痢症における腸管寄生原虫の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16H05842
研究機関金沢大学

研究代表者

畢 袖晴  金沢大学, 医学系, 助教 (50565413)

研究分担者 市村 宏  金沢大学, 医学系, 教授 (10264756)
所 正治  金沢大学, 先進予防医学研究センター, 准教授 (30338024)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードHIV / 腸管寄生虫 / 小児 / 免疫
研究実績の概要

研究背景・目的:エイズ診断の指標疾患に含まれる原虫症(クリプトスポリジウム下痢症)で知られるように、原虫感染は一般にヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染と相関すると考えられてきた。しかし、我々は、途上国の小児において、HIV感染はアメーバ(Entamoeba, E)感染のリスクファクターではなく、ジアルジア遺伝子型Bの感染リスクファクターであることを見出してきた。これは、HIV感染における腸管寄生原虫の感染にこれまでに考慮されてこなかった何らかの機序が存在することを示唆した。本研究はHIV感染と非感染小児の免疫学背景および社会行動学的要因と各種腸管病原体の感染との関連を調査し、HIV感染小児における腸管病原体の感染リスク要因を解明する。
方法:1.研究対象:ケニア・ナイロビのHIV感染と非感染小児(ダンドラ地区76名と77名、キベラ地区87名と85名);2.糞便検体から腸管寄生原虫の同定;3.末梢血での免疫学評価(CD4陽性細胞数、CD8細胞活性化状態等);4.質問票調査(環境状況等)
結果:HIV感染と非感染児の年齢と性別は有意な差がなかった。アメーバ感染率は両地方ともHIV感染児で63.2%、HIV非感染児ではダンドラで75.3%、キベラで78.8%であり、感染児の感染率は低かった(ダンドラ, P=0.103;キベラ, P=0.024)。特にキベラではE. hartmanniの感染率が有意に低かった(35.6% vs. 52.9%, P=0.022)。ジアルジアB感染率は両地区でHIV感染と非感染児で有意な差が見られなかった(ダンドラ, 31.6% vs. 44.2%, P=0.109; キベラ, 24.1% vs.28.2%, P=0.541)。アメーバ多重感染、単感染および非感染のCD4細胞数を比較したところ、HIV感染児と非感染児で差が見られなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り確実に進展している。
(1)2017年2-3月に、一回目のフィールドワークを実施し、HIV感染小児77名、非感染小児80名から糞便検体採集・処理・保存、末梢血での免疫解析、質問票による調査を実施した。2017年11月に、二回目のフィールドワークを実施し、HIV感染小児と非感染小児87名ずつから糞便検体採集・処理・保存、末梢血での免疫解析、質問票による調査を実施した。
(3)質問票で調査した研究対象の背景・社会・経済などの情報の入力および免疫データの解析が終了した。
(4)糞便による腸管寄生虫の検査を終了した。
(5)腸内細菌の検査は現在進行中であり、今年度前半に終了予定である。

今後の研究の推進方策

(1)現在腸管寄生虫感染とHIV感染の関係、免疫状態の関係、社会行動学・環境因子との関係を解析している。
(2)腸内細菌の解析が終了したあと、各種の病原体とHIV感染、免疫状態、社会行動学・環境因子の関連性を総合的に分析し、論文を完成する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] Kenya Medical Research Institute/Nyumbani Children's home laboratory(ケニア)

    • 国名
      ケニア
    • 外国機関名
      Kenya Medical Research Institute/Nyumbani Children's home laboratory

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公開日: 2019-12-27  

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