研究課題/領域番号 |
16H05846
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森内 浩幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90315234)
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研究分担者 |
吉田 レイミント 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90432963)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 先天性風疹症候群 / 先天性ジカウイルス症候群 / 先天性サイトメガロウイルス感染症 |
研究実績の概要 |
小児人口に対する風疹ワクチンのCatch-upキャンペーン接種のみが行われ15歳以上に感受性集団を抱えているベトナムにおいて、これらの感受性集団(含、妊娠可能年齢の女性)を中心に風疹流行が起こる恐れがある。そこでベトナム・カンホア省の中核病院(地域の分娩のほとんどを扱っている)において出生コホートを立ち上げ、またこの地域で出生する新生児の臨床的観察を強化することによって、妊婦の風疹抗体保有率(感受性者の割合)を明らかにし、先天性風疹症候群(CRS)の実態(発症率)を捉え、CRSの病態の理解を深めることによって、CRSを防ぐためのワクチン施策のあり方やCRS患者の予後・QOL改善のための対応策を明らかにすることを目指し、ベトナムのカウンターパートとの協議を重ね、両国の倫理委員会の承認を得、SOPをまとめ、コホートの立ち上げの場所であるカンホア総合病院におけるワークショップの企画を立てるところまで進めた。 併せて、現在先進国の先天性感染で最大の問題であるサイトメガロウイルスと、近年特にネッタイシマカ蔓延地域で問題となっているジカウイルスの先天性感染の実態も調べることになり、特に後者は日進月歩の研究進展が見られているために、ジカウイルスに関する最初の国際会議(ワシントンDCで開催)に出席するなどして最新情報の収集に努め、長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学教室との共同研究を取り交わして検査体制を整えるところまで準備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば平成28年度のうちに出生コホートの登録を開始しているはずだったが、その時期が平成29年10月に順延せざるを得なかった。これは、現地で別途行われる大規模なフィールド研究の進捗が遅れており、こちらの方が一段落するまでは現地スタッフが本研究に専念する時間と労力を確保することが困難と判断したためである。 その間も準備を整え、細部の確認や、新たに得られた研究報告を検討してきたが、全体の進展が遅れ気味であることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
既に出生コホートの開始時期は決定し、その準備のためのワークショップの日程も決まったことから、いったん動き出したら順調に進んでいくことと確信している。コホート登録開始時期が遅れたこと以外には、大きな計画の変更はない。 研究の中間成績、特にジカウイルスに関するデータの内容如何では、当初予定していた検体数を上乗せする可能性はあり、共同研究者(長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学教室・森田公一教授)とも検討している。
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