研究課題/領域番号 |
16H05846
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森内 浩幸 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (90315234)
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研究分担者 |
吉田 レイミント 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (90432963)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 先天性風疹症候群 / 先天性ジカウイルス症候群 / 先天性サイトメガロウイルス感染症 |
研究実績の概要 |
2017年10月より、カンホア総合病院産科病棟において分娩された母子から entry criteriaに適合するペアの出生コホートへのリクルートを開始するとともに、その臨床像からさまざまな先天性感染症が疑われ、同病院新生児集中治療室に紹介入院となった全ての児のリクルートを開始した。 平成29年度のうちに出生コホートには約440ペアが登録され、臍帯血検体に対して風疹IgMおよびCMV IgM検査を実施した。また唾液検体に対しては、風疹ウイルス、ジカウイルス、サイトメガロウイルスのPCR検査を実施した。今後、風疹IgG、サイトメガロウイルスIgG、ジカウイルスおよびその他近縁のフラビウイルス抗体検査を実施していく。 また、新生児集中治療室に入院した先天性感染疑い児として登録されたのは65例で、これらに対しては臍帯血または末梢血から風疹IgMおよび CMV IgM検査を実施し、また全血、唾液、尿検体に対して風疹ウイルス、ジカウイルス、サイトメガロウイルスのPCR検査を実施した。今後、風疹IgG、サイトメガロウイルスIgG、トキソプラズマ抗体、ジカウイルスおよびその他近縁のフラビウイルス抗体検査を実施していく予定である。 これまでに先天性風疹感染、先天性ジカウイルス感染が証明された例はないが、先天性サイトメガロウイルス感染例は約2%に認められている。先天性感染が証明された児の疫学・臨床的データの解析と、今後のフォローアッププランについて検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば平成28年度のうちに出生コホートの登録を開始しているはずだったが、その時期が平成29年10月に順延せざるを得なかった。これは、現地で別途行われる大規模なフィールド研究の進捗が遅れており、こちらの方が一段落するまでは現地スタッフが本研究に専念する時間と労力を確保することが困難と判断したためである。 その間も準備を整え、細部の確認や、新たに得られた研究報告を検討してきたが、全体の進展が遅れ気味であることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
既に出生コホートの開始時期は決定し、その準備のためのワークショップの日程も決まったことから、いったん動き出したら順調に進んでいくことと確信している。コホート登録開始時期が遅れたこと以外には、大きな計画の変更はない。 研究の中間成績、特にジカウイルスに関するデータの内容如何では、当初予定していた検体数を上乗せする可能性はあり、共同研究者(長崎大学熱帯医学研究所ウイルス学教室・森田公一教授)とも検討している。
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