研究課題/領域番号 |
16H05850
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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研究分担者 |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (10183625)
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20509591)
二宮 利治 九州大学, 大学病院, 助教 (30571765)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯周病 / 国際比較 / 韓国 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、日本と韓国における歯周病の有病状況および歯周病に関連する生活習慣や全身の健康状態の違いを明らかにするために、既存データを用いて再解析を行った。平成28年度に実施したデータ解析では糖尿病の有病状況を考慮していなかったため、平成29年度は、全身の健康状態として糖尿病とメタボリックシンドローム(MetS)を評価して解析を行った。年齢調整した糖尿病の有病率は、久山町研究が9.4%、Korean National Health and Nutrition Examination Survey(KNHANES、韓国国民健康調査)が11.9%であった。MetSだけでなく糖尿病もKNHANESより久山町研究のほうが有病率は低かった。多変量解析でロジスティック回帰分析を行い、現在歯数、未処置歯数、充填歯数、歯科医院の受診、喫煙、年齢、性別、職業、糖尿病の有無を調整した結果、KNHANESに比べ、久山町研究のほうが歯周病のリスクが高かった(Odds ratio 1.68 [95% CI 1.41-2.00])。多変量解析でMetSを調整した結果も同様の傾向が認められた。これは、生活習慣や全身の健康状態を考慮しても、韓国人のほうが日本人よりも歯周組織の健康状態が良好であることが示唆された。 さらに日本と韓国における若年者調査を実施するにあたり、倫理委員会への審査申請と関係機関に調査協力を求めた。来年度、日本では久山町2小学校、北九州市1小学校の小学1、6年生に唾液サンプルの採取を行うこととなった。韓国ではYonsei大学の調査協力が得られた。さらに採取した唾液サンプルを韓国から送付するにあたり常温で細菌構成を変えることなく輸送できる保存溶液について比較検討を行い、実際の調査において使用するものを決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本と韓国における若年者調査の準備として、韓国での対象者の選定に時間を要してしまったが、来年度以降に調査が実施可能となった。日本では3小学校の調査協力が得られ、来年度唾液サンプルの採取を行う。また、当初の予定どおり平成29年度久山町研究で唾液サンプルを採取した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、日本と韓国における若年者調査を実施する。日本では、永久歯萌出期の小学1年生と永久歯萌出完了期の6年生計200人を対象として唾液サンプルの採取を行う。取得した唾液検体から細菌DNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いた細菌構成解析を行う予定である。
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