研究課題/領域番号 |
16H05850
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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研究分担者 |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, 部長 (10183625)
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20509591)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50546471)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯周病 / 国際比較 / 韓国 |
研究実績の概要 |
平成30年度は日本と韓国の若年者の口腔常在微生物叢調査を進めた。まず本比較調査の研究計画について倫理審査委員会に申請し承認を得た。日本では福岡県の2地域3小学校において保護者から前もって同意を得たのち、学校歯科健診の際に唾液および舌苔検体の採取を行った。同意取得の際に保護者にアンケートを行い、食習慣および生活習慣に関する情報についても取得した。取得した一部の細菌群集検体についてはDNAを抽出し細菌16S rRNA遺伝子を網羅的に回収したのち、次世代シーケンサーを用いて解読し細菌構成を決定した。歯科健診およびアンケートの結果はデータベース化し、データクリーニングを行い分析を迅速に進められるよう準備を行なった。韓国での調査についてはYonsei大学予防歯科に調査フィールドの確保を依頼し、大邱市の小学校から調査協力の承諾を得た。次年度同小学校において韓国での倫理審査委員会の承認を得たのち歯科健診および検体採取を行う予定である。さらに採取した唾液サンプルを常温で細菌構成を変えることなく輸送できる保存溶液について、新規のものも含め再度比較検討を行なった。加えて日本への最適な輸送方法を関係各所に確認し検討した。 また成人についても久山町研究とKorean National Health and Nutrition Examination Survey(KNHANES、韓国国民健康調査)の比較分析を進め、60~70歳代では韓国に比べ日本のほうが残存歯の数が多く、日本のほうが処置歯数も40~60歳代で多いことが明らかとなった
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に日本の小学校での調査を完了し、取得した検体の細菌群集解析および唾液成分解析も開始している。韓国での調査フィールドも決定し倫理審査委員会についても承認間近である。成人における比較分析についても新たな知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、日本人若年者から採取した検体について次世代シーケンサーを用いた細菌構成解析を完了する。また韓国における若年者調査を実施する。両国の調査で得られた結果を比較し若年者における両国の違いを解明し、成人における違いが見られるかを明らかにする。
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