研究課題/領域番号 |
16H05851
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
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研究分担者 |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
邵 仁浩 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10285463)
吉田 明弘 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (20364151)
角田 聡子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70364156)
岩崎 正則 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (80584614)
福原 正代 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90360057)
酒井 理恵 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (90621277)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 侵襲性歯周炎 / A.a菌 / 地中海食 |
研究実績の概要 |
モロッコ等の北アフリカでは侵襲性歯周炎の有病率が高いことが従来から指摘されてきたが、具体的な有病率や原因ならびに進行のメカニズム等の詳細な情報 が不足している。これまでの先行研究において侵襲性歯周炎の原因菌の一つであるA.a菌の病原因子との関連についての報告は散見されるが、地中海食といった地 域に特異的な食生活と侵襲性歯周炎との関連性を探索した研究はほとんど認められない。 そこで我々は、モロッコの大学生を対象にMohammed V University歯周病講座のEnnibi主任教授らのメンバーと共同で口腔と全身の健康状態、食生活ないし食事内容および生活習慣等について調査研究を進めてきた。全身疾患を有する者、過去3ヶ月以内に抗生剤の処方を受けた者ならびに喫煙者は解析除外とした。 その結果、1075名のモロッコ人(平均年齢20.2歳、男女比:約2:8)のうち、約7%に侵襲性歯周炎罹患者が認められた。歯周組織検査の結果、侵襲性歯周炎群では平均3ミリの歯周ポケットが認められたのに対し、非侵襲性歯周炎群では2.2ミリであった。3ミリ以上のアタッチメントロスについても侵襲性歯周炎群では 11%に認められたが、非侵襲性歯周炎群では0%であった。地中海食のスコア(MDS)を基に回帰分析を行ったところ、スコアは1つ多くなるほど15%程度、侵襲性歯周炎のリスクが低下することがわかった。とくにオリーブオイル摂取単独でみると、侵襲性歯周炎の病態と有意に逆相関の関係にあり、45%リスクが低下する ことが判明した(交絡因子で調整済み)。 以上のことから、オルーブオイルの摂取は侵襲性歯周炎の病態進行に抑制的に作用している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象者数が当初目標としていた1000名に到達できている点、ならびにデータ集計ならびに統計解析についても完了しつつある点等でおおむね順調と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
対象者数は当初想定していたレベルに達し、データ集計ならびに統計解析についてもほぼ満足できるレベルに達していると認識している。今回、横断研究のデータを用いて解析を行ったので、今後はコホート調査のデータを活用する方向で考えている。たとえば、有病率をアウトカムにした比例ハザードモデルを構築し、侵襲性歯周炎の発症・進行、A.a JP2株の変化に地中海食の摂取状況等の因子がどのように影響しているかといった因果関係等の検証を行いたいと考えている。
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