研究課題
基盤研究(B)
モロッコ等をはじめとする北アフリカ地域で多くみられる侵襲性歯周炎の原因ならびに進行のメカニズムを明らかにすることを目的とした。我々はモロッコ王国のMohammed V University at Souissiと共同で1075名について調査を行った。地中海食のスコア(MDS)を基に回帰分析を行ったところ、スコアは1つ高くなるほど15%程度、とくにオリーブオイル摂取単独でみると、侵襲性歯周炎の病態と有意に逆相関の関係にあり、約45%リスクが低下することが判明した(交絡因子で調整済みの場合)以上のことから、オルーブオイル摂取は侵襲性歯周炎の病態進行に抑制的に作用している可能性が示唆された。
口腔衛生学
侵襲性歯周炎の原因および病態については従来から国内外で研究が行われてきたが、まれな疾患ということもあり十分はエビデンスが得られているとは言いがたい。例えば、侵襲性歯周炎の有病率ひとつとっても公開に耐えうるデータも不十分というのが現状である。我々は10年ほど前からモロッコ王立大学の歯学部の歯周病科(Ennibi教授)研究室と共同研究を立ち上げてきており、本研究において新たな知見が得られたと考えている。