研究課題
視覚情報処理におけるアルファ波の機能に関して多くの成果が上がった.具体的には,アルファ波の周波数の個人差や個人内変動と対応して,ジター錯視の見えの周波数が変化することを見いだした.さらに経頭蓋電流刺激を用いて,アルファ波の周波数を増減させる技術を開発し,アルファ波の周波数の変化に伴い錯視の見えの周波数が変化することを立証した.一連の成果は,Current Biology誌に発表した.本研究の成果は裏を返すと,ジター錯視の見えの周波数を心理学的に測定することにより,脳波を直接計測することなくアルファ波の周波数を計測できることを意味している.そこでジター錯視の周波数を測定するAndoroid/iOS用アプリケーションを作成した.予備実験により実際に脳波計を使って計測したアルファ波の周波数とiPadを使って測定したジター錯視の周波数が対応することが確認された.さらに本手法を使って朝,昼,晩と定期的に10日間にわたってアルファ波の周波数を測定したところ,アルファ波の周波数が一日の中でもシステマチックに変動している可能性が見いだされた.今後この日内変動のメカニズムを詳しく調べて行くと共に,アプリを拡張し,直接脳波を計測せずにアルファ波の強度さらには他の周波数帯の脳波の周波数,強度を測定するシステムを構築していく予定である.アルファ波の周波数には大きな個人差があるが,その個人差と関連した白質線維の同定にも成功した.具体的には外側漆状体と呼ばれる神経核と視覚皮質を結ぶ視放線と呼ばれる白質線維の特性がアルファ波の周波数と関連することを見いだし,eNeuro誌に論文発表した.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 6件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 6件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
Scientific Data
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