| 研究課題/領域番号 |
16H05870
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| 研究機関 | 慶應義塾大学 |
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研究代表者 |
杉本 麻樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50517399)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 表情認識 / 機械学習 / 幾何形状推定 |
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| 研究実績の概要 |
研究期間の2年次にあたる2018年度は，組み込み型光センサから取得できる情報から装着者の顔表情がどの程度の精度で計測できているかを定量的に検討した．これまでの研究期間において，頭部装着型ディスプレイを装着したユーザの表情を識別する組み込み型光センサと機械学習のシステムを構築しており，笑い・驚き・怒り・悲しみ・ニュートラルといった，基本表情の識別が可能であることを示すと共に，各表情の表出強度を階調値として推定することが可能であることを示してきた．2018年度の研究としては，これまでの研究を踏まえながら組み込み型光センサから取得できている情報から，顔の幾何形状を推定した場合の精度を定量的に検討することを行なった．頭部装着型ディスプレイ内部に組み込んだ光センサと同様の構造を持つウェアラブルデバイスを使用し，ユーザの皮膚表面に装着した再帰性反射マーカーの3次元位置を推定した条件における誤差を評価した．幾何形状の推定にあたっては，皮膚表面のマーカーの3次元位置の主成分分析を行ない，顔表情の変化に伴う皮膚変形の主要な要素を求めた上で，そのパラメータを反射型光センサの情報から推定する枠組みを構築し，高い精度での幾何形状の推定が行えることを確認した．本年度の研究を通じて，本研究における表情認識システムが基本表情に基づいた識別のみではなく，詳細なユーザの顔の幾何形状の推定を行えるだけの情報量を持っていることを示せたと考えられる．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在までの研究の進捗状況としては，当初の研究計画以上に進展していると考えられる．これは，研究開始時においては，本研究で使用している反射型光センサの情報に基づいて笑い・驚き・怒り・悲しみ・ニュートラルといった基本表情を前提とした表情認識が可能であると考えていたが，一方で，反射型光センサからの情報はセンサ数に応じた次元数しか無く，基本表情から乖離した表情の認識は難しいと想定していた．しかしながら，顔表情の変化に伴う皮膚変形の主成分を考慮し，次元削減した主成分のパラメータをセンサ情報から求めることによって，多様な顔表情の幾何形状を推定することが可能であることを確認できており，当初の研究計画以上に研究が進展している状況である．
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでの研究での基本表情に基づく識別においては，顔全体を1つの表情として取り扱ってきた．また，ユーザごとの訓練データセットを構築することにより，表情認識を実現することを前提とした研究を行なってきた．今後の研究の方針としては，これまでの研究成果を踏まえながら，顔の要素毎の識別や，ユーザ間での訓練データセットの共有がどこまで可能かについての検討を進める．
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