行動の目標という概念は自ら行動する際に必要となるだけでなく,他者の行動に意図を見いだしたり,模倣学習をしたりする際にも重要な役割を果たしていると指摘されており,社会的認知能力の礎ともなっている.しかしながら,心理学や脳科学の重要な研究課題となっているにもかかわらず,行動の目標という抽象的な概念がどのように表象されているかは未だ明らかではない.本研究の結果として得られた目標志向行動に関する神経回路モデル上での情報表現に関する知見は工学的応用のみならず,認知科学等の学術的な研究への展開も期待できる.
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