機能エレメントとして,RNA修飾(m6A,イノシン),RNAの配列・構造情報,機能性分子(他のRNAやタンパク質)の結合部位,トランスポゾンに由来するリピート要素を対象として研究を行った.また一部においては深層学習の技術を用いて予測モデルの構築等を行った. RNA修飾に関しては,m6A-seqのデータから深層学習予測モデルを学習することにより,配列情報のみから修飾部位を予測可能な手法を開発した.また,修飾とタンパク質結合の関連性に関する詳細の解析を行い,タンパク質結合に修飾が影響を与えていることを明らかにした.また,RNAと他の機能分子の予測手法としてRNA-RNA相互作用およびRNA-タンパク質相互作用の予測手法の開発を行った.海外グループとの共同研究により,腎細胞がんの薬剤感受性の分子メカニズムの解明をおこなった.この研究においては,あるlncRNAがmRNAとRNA-RNA相互作用を行うことにより,mRNAの安定化および翻訳量の上昇を促し,これにより薬剤感受性に影響を与えることが明らかになったが,このメカニズム解明にRIblastが本質的な役割を果たした.RNAとタンパク質の相互作用予測においては,深層学習を用いたマルチタス学習モデルを新たに提案した.また,リピート要素に結合するRNA結合タンパク質の網羅的な解析を行った.この研究によりトランスポゾン内の特定の領域がタンパク質結合に寄与していることが示唆された.これらの研究はいずれも原著論文として公開をしている(業績の論文リストを参照).
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