研究課題
本研究は4年計画で、氷床コアの分析・解析によって過去の人間活動と窒素・硫黄循環や大気酸化過程の変遷を復元することを目的としている。当該年度は、前年度に得られたSE-Domeコアの硫酸の三酸素同位体組成の変動記録を説明するプロセスの解析に主眼をおいて研究を行った。特に、硫酸の三酸素同位体組成が1970年以降上昇している理由に対して、大気酸性度が1970年代以降に低下(= 雲pHが上昇)したことよりオゾン酸化による大気硫酸生成が高まったことが要因となっていることが示唆された。これを再現するため、GEOS-Chem3次元大気化学輸送モデルを用い、ベースの大気循環場及び大気化学反応に加え。各硫酸生成反応に由来する硫酸を区別・追跡するソースコード編集を行い、モデル内の硫酸の三酸素同位体組成を算出できるように改良した。その結果、SE-Domeの観測記録とGEOS-Chemモデルは良く一致していた。この結果を投稿中である。以上のように、大気-雪氷圏における様々な大気化学プロセスの解析に硫酸・硝酸の三酸素同位体組成が有効であることを示唆するに至った。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 3件) 備考 (2件)
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