研究では、深度の異なる15の海底コア堆積物試料を微生物接種源に用い、結晶性酸化鉄とメタンまたは酢酸を基質とした長期間集積培養を行った。その集積過程を次世代シークエンサーにより網羅的に明らかにするとともに、エネルギー順位の高い溶解性鉄やその他電子受容体基質を用いた二段目培養を適用することで、ナノマグネタイト蓄積が観察された深度付近からFirmicutes門に属する2種の鉄還元菌の分離培養に成功した。このことは、海底下深部の炭素循環に結晶性酸化鉄還元微生物が密接に関与していることを強く示唆するものである。
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