ハロゲン化多環芳香族炭化水素類(ハロゲン化PAHs)は、環境残留性や有害性の観点から新規残留性有機汚染物質の候補となり得る化学物質群である。我々の研究の結果、廃棄物焼却施設がハロゲン化PAHsの主な発生源の一つであることと、これらのハロゲン化PAHsの生成機構を明らかにした。また、食品調理においても母核であるPAHsやハロゲン化PAHsが高濃度で生成することが分かり、主要生成物質やそれらの濃度に関する情報を取得した。さらに、曝露経路別の曝露量を推算した結果、調理後の食品を経口摂取するよりも、調理排ガスを吸入することによる吸入曝露量が多くなることが示され、吸入曝露のリスクが高い可能性を示した。
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