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2019 年度 実績報告書

酸化触媒を担持した石炭灰による閉鎖性水域の難分解性底泥の分解材の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16H05892
研究機関神戸大学

研究代表者

浅岡 聡  神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 助教 (60548981)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード難分解性有機物 / 瀬戸内海 / 石炭灰造粒物 / 全有機炭素濃度 / 堆積物
研究実績の概要

閉鎖性水域に堆積した難分解性有機物の分解材料を開発するため,石炭火力発電所から発生するフライアッシュに高炉セメントを87:13の質量比で混合し石炭灰造粒物(GCA)を合成した.石炭灰造粒物にモリブデンモリブデン酸化物あるいはマンガン酸化物を含侵法で担持・焼成を行い,GCA-Mo, GCA-Mnを作製した.これらを100 gの堆積物(TOC: 2.0%)に対して,10%の割合で混合し,300 mLの人工海水を加え,通気を行いインキュベーションした.実験前後のTOC濃度差からTOCベースにおける有機物の分解率を求めた.対照区,GCA区,GCA-Mo区,GCA-Mn区の堆積物の分解率は,それぞれ14.8%, 21.6%, 1.1%, 0%であった.GCA区で対照区に比べて,難分解性有機物の分解率が6.8%高かった.一方,GCA-MoやGCA-Mnの堆積物の分解率は低かった.
次に,より現場に近い環境で実験を行うため,堆積物に広島県竹原市地先の自然海水を砂ろ過した海水を海水交換率20回転/日で常時かけ流した.堆積物(TOC: 2.2%)には,GCA,フェリハイドライトを担持したGCA-Fe,酸化チタンを担持したGCA-Tiを混合率が10%となるよう混合し,3か月間,分解実験を行った.実験前後のTOC濃度差からTOCベースにおける有機物の分解率を求めた.3か月後の堆積物のTOCはいずれの試験区においても増加して,見かけの堆積物の分解率は負となった.この原因として,水槽内で増殖した微細藻類すなわち,POC負荷によって堆積物のTOCが増加したと考えられた.対照区におけるTOCの増加を差し引き,正味の堆積物の分解率を求めたところ,GCA区, GCA-Fe区, GCA-Ti区それぞれ,5.5%, 0%, 1.9%であり,GCA区が最も分解率が高かった.

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Persistent organic pollutants are still present in surface marine sediments from the Seto Inland Sea, Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Asaoka Satoshi、Umehara Akira、Haga Yuki、Matsumura Chisato、Yoshiki Ryosuke、Takeda Kazuhiko
    • 雑誌名

      Marine Pollution Bulletin

      巻: 149 ページ: 110543

    • DOI

      10.1016/j.marpolbul.2019.110543

    • 査読あり
  • [学会発表] 富栄養な海、貧栄養な海、それぞれの環境修復技術2020

    • 著者名/発表者名
      浅岡 聡
    • 学会等名
      神戸大学内海域環境教育研究センター ,アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN),公益財団法人 国際エメックスセンター共催セミナー
  • [学会発表] Remediation of eutrophic sediments using granulated coal ash derived from coal fired generation2019

    • 著者名/発表者名
      Satoshi ASAOKA、Takahito OIKAWA、 Hideaki NOHARA
    • 学会等名
      4th Green & sustainable Chemistry Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 閉鎖性水域の堆積物中の硫黄の化学形態と石炭灰造粒物を利用した閉鎖性水域の底質改善法2019

    • 著者名/発表者名
      浅岡 聡
    • 学会等名
      2019年度立命館大学SRセンター成果報告会
    • 招待講演
  • [学会発表] 火力発電所からの石炭灰をリサイクルした環境修復材料の開発2019

    • 著者名/発表者名
      浅岡 聡
    • 学会等名
      はりま産学交流会創造例会
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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