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2016 年度 実績報告書

がん患者のエネルギー消費量の検討およびメタボローム解析による栄養素代謝変化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16H05897
研究機関徳島大学

研究代表者

安井 苑子  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (30716634)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード悪液質 / 栄養不良 / REE
研究実績の概要

本研究は、がん患者のエネルギー代謝変化およびがん悪液質における栄養素代謝変化の解明を目的とする。がん患者の栄養不良は、1.エネルギー不足による栄養不良 2.がん悪液質 の大きく2つが考えられているが、有効な栄養管理法は確立されていない。本研究では、1.間接熱量測定により、がん患者の安静時エネルギー消費量(resting energy expenditure; REE)および呼吸商を測定し、エネルギー代謝変化を解明する。また、2.血清メタボローム解析により、がん悪液質に特異的な栄養素代謝変化を網羅的に探索する。得られた結果と、治療中の栄養投与量および体組成変化との関連を解析することで、がん治療中の至適投与栄養量を検討する。さらに、悪液質の代謝変化に焦点を当てた新たな栄養管理法への展開を目指す。
本年度は体制整備が主となった。必要機材として間接熱量計および多周波生体電気インピーダンス法による体組成計を選定・購入した。健常者12名で予備測定を実施し、測定条件を検討した。
健常者12名の測定結果、Harris-Benedict式より年齢、性別、身長、体重から推定した基礎代謝量(basal energy expenditure; BEE)とREEを比較すると、REE/BEE=0.88±0.55であり、健常者においては、実測安静時エネルギー消費量は、予測基礎代謝量より少なかった。除脂肪量(fat free mass; FFM)からCunninghamの式より算出した基礎代謝量(basal metabolic rate; BMR)とREEを比較すると、REE/BMR=0.99±0.05であり、健常者においては、REEはBMRとほぼ等しかった。がん患者では現在6名の測定を実施済である。今後、がん患者において安静時エネルギー消費量および栄養素代謝がどのように異なるか検討をすすめていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

間接熱量計は高額機器であるため、機器の選定に時間を要してしまった。また、健常者での測定開始後、途中で機器の不具合が生じ、再測定が必要となってしまい、癌患者での測定開始が遅れてしまった。当初予定していた症例数に現時点では到達していないため、達成度はやや遅れていると考える。

今後の研究の推進方策

がん患者の安静時エネルギー消費量測定およびメタボローム解析を進めていき、データベースを蓄積する。得られたデータから、がん患者におけるエネルギー代謝変化及び栄養素代謝変化を検討する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 客観的栄養評価(Objective Data Assessment: ODA)2016

    • 著者名/発表者名
      濵田康弘、谷佳子、安井苑子、齋藤裕
    • 雑誌名

      内分泌・糖尿病・代謝内科

      巻: 43 ページ: 185-189

  • [学会発表] 頭頸部癌化学放射線療法中の体組成及び筋力の変化2017

    • 著者名/発表者名
      久保みゆ、安井苑子、古本太希、谷村真優、松原あつみ、谷佳子、松村晃子、島田亜紀、佐藤紀、加藤真介、武田憲昭、濵田康弘
    • 学会等名
      第32回日本静脈経腸栄養学会学術集会
    • 発表場所
      ANAクラウンプラザホテル岡山(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2017-02-23
  • [学会発表] 胃癌・膵癌患者における術前栄養評価と予後との関連2017

    • 著者名/発表者名
      松原あつみ、安井苑子、齋藤裕、谷村真優、松浦明香、大岩優、西麻希、山田静恵、谷佳子、松村晃子、島田光生、濵田康弘
    • 学会等名
      第32回日本静脈経腸栄養学会学術集会
    • 発表場所
      岡山シティミュージアム(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2017-02-23
  • [学会発表] 臨床現場で求められる管理栄養士2017

    • 著者名/発表者名
      安井苑子
    • 学会等名
      第20回日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2017-01-14
  • [学会発表] 頭頸部癌患者における化学放射線療法中の体組成変化の検討2017

    • 著者名/発表者名
      久保みゆ、安井苑子、古本太希、谷村真優、松原あつみ、谷佳子、松村晃子、島田亜紀、佐藤紀、加藤真介、武田憲昭、濵田康弘
    • 学会等名
      第20回日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2017-01-14
  • [学会発表] 胃癌・膵癌患者の予後予測に有用な栄養評価法の検討2017

    • 著者名/発表者名
      松原あつみ、安井苑子、齋藤裕、谷村真優、松浦明香、大岩優、西麻希、山田静恵、鈴木佳子、松村晃子、島田光生、濵田康弘
    • 学会等名
      第20回日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府京都市)
    • 年月日
      2017-01-13

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公開日: 2018-01-16  

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